カプコンは23日、iPhone版『ゴースト トリック』のヒットを記念してディレクターの巧舟氏やプロデューサーの竹下博信氏、そして小説家の有栖川有栖氏を招いてブロガーイベントが開催されました。まずは巧氏と竹下氏のトークショウのような形でイベントは進行していきます。巧氏が『ゴースト トリック』の原案を書いたのは2004年に遡るそうです。ちょうどGBA『逆転裁判』シリーズが一段落した頃で、新しい企画はまとまっていたそうですが、DSの『逆転裁判』がスタートした事で止まってしまったそうです。2007年から再び始動し、竹下氏がプロデューサーとして本格的に開発がスタート。2004年のものとはずいぶん変わったそうですが「今の方がいいもの」(巧氏)になったようです。テーマとしては、人と人の人生の絡み、というものがあり、場面転換や伏線も多い読ませるゲームになっています。この点に関して竹下氏は「最初にラフのような企画書を見せられた時は何のことか分からなかった」と巧氏の頭の中のミステリーに混乱してしまったと正直な告白。しかし「巧舟を信じて支えていった」と話していました。ここで有栖川氏が登場。3人のトークショウとなります。有栖川氏は『ゴースト トリック』について「感服している」とお気に入りの様子。「パズルを解く楽しさと、単なるパズルではないストーリーの面白さが両方ある」と指摘。「色々な人に聞いて回るのはハードボイルドだし、朝までに解けというのはサスペンス、ミステリーの良い所どりを一杯しているゲーム」と話していました。ゲームのシナリオを書いたこともある有栖川氏、ここで話題は電子書籍に移ります。「今言われている電子書籍は、本の形を専用の端末で読むもの。でも小説という形自体も変わっていく。動画を使ったり、前後に戻ったり、読者が参加できるような、ゲームと小説の中間のような存在がもっと出てくると思います」どうやら有栖川氏は『ゴースト トリック』にそれを見たようです。また「本だとどんでん返しが難しいんです。残りページ数が分かっちゃうから。映画も同じです。でもゲームだけは予測できない。今回もたくさん・・・(笑)」とコメント。「可能性がどんどん増えていると思うんです。これは小説なのか?ゲームなのか?というものがもっと生まれると思うし、そうなると小説の道を究めたい、ゲームの道を究めたいという人も出てくる。とても楽しみです」ゲームも変わります。『逆転裁判』は宝塚で公演されました。巧氏は「聞いた時はどうなることかびっくりしました。でも宝塚はフィクションの世界。ゲームと相性が良いところがあるかもしれません」とコメント。『ゴースト トリック』は舞台をイメージしているので今回も可能性が・・・と言う巧氏に対して有栖川氏は「歌舞伎はどうですか?」とボールを投げ盛り上がっていました。後半は会場やUstreamからの質問を受け付けました。まずはタイトルの由来について。『ゴースト トリック』という名称は初期からあったそうです。しかし、"もう少しキャッチーで分かりやすく"というリクエストもあり、『ゴゴゴゴゴースト』やインパクトの大きい『ヒョーイドン』もしくはシンプルに『とりつく』(商標の都合で却下)なども案としてはあったそうです。最終的には巧氏が『ゴースト トリック』で、と決めたそうです。iPhone版の制作については竹下氏が説明。DS『ゴースト トリック』を作ったメンバーが研究込みで3ヶ月くらいの期間で制作を行ったそうです。いわく「(iPhoneは未経験なので)最初の勉強は大変だったけど、ゲームは熟知していたので作業は早かった」そう。ゲーム機では性能を100%引き出す開発になりますが、スマートフォンは電話がかかってきたり、電池が無くなったり、色々なシーンを想定する必要があり、苦労したそうです。そして誰もが気になる続編の可能性については・・・。竹下氏は「作りますとも作りませんとも言えない状況」と正直なところを語りました。先々週に発売した海外版や、iPhone版の今後の売れ行きなどを見ながら「いい形に繋げたいとは思ってる」という事でした。App Storeでは1位にもなり、期待大ですね。今後近い内にiPad対応や、おみくじやパズルのコンテンツを追加したアップデートが予定されているとのこと。『ゴースト トリック』からまだまだ目が離せません。
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