Gamification Summitで例示されたGamificationデザインの実際、続きです。■3)進行状況が目に見えるようにし、ユーザが迷わなくていいようにしようdesign for progress。progress、はソーシャルゲームのミッションなどで100%の到達率を示すプログレスバーがあるが、あのプログレスである。進行状況、というように訳してみたが、実は改めて見ているとそれだけではなかったかもしれない。このセッションで触れられているプログレスの種類とは、以下に大別される。・スコア、得点、ポイント・順位表、ランキング・ゲームのペース(難易度設定)・わかりやすさ、ガイダンス、チュートリアルの充実ゲームの進行に応じてデザインしないといけないことがある、という点ではdesign over timeでの内容と重なる面もあるような感じがするが、design over timeの方はどちらかというとプレイヤーそのものに焦点があたっており、ゲームの進行というよりはプレイヤーの慣れ・熟達度といったところに着眼がある。design for progressの方はゲームそのもの、gamification的にはサービスそのものに着眼がある。進行管理のメカニズムをうまく作ることでユーザが次に何をすればいいのか迷わずに済むという状況を作ることが出来る、というのがポイントとなる。上記の4つの要素ごとに見ていってみよう●スコア、得点、ポイント進行を見える化する上で最も典型的な要素が「スコア」であろう。スコア、といっても様々な種類がある。ソーシャルゲームでは特に明示的な「スコア」が定義されていることはむしろ少なく、経験値、ゴールド、レベル、アイテム交換のポイント、などさまざまな形でそれが存在している。その種類を挙げていってみると、以下の5種類に分類される。・経験値系:ユーザの行動に応じて獲得できるポイントで、減ることがない・交換ポイント系:ユーザの行動に応じて獲得するが、アイテムなどと交換することが出来、増減がある・通貨系:リアルマネーで購入するサイト内通貨。日本だと「コイン」と名付けられていることが多い・スキルポイント系:通常のゲームの概念における得点・スコア、あるいはランキング(例:ゴルフのスコア、など)。あるスキルやゲーム全体の熟達度合いを反映することが多い・ソーシャルポイント系:他ユーザから与えられるポイント。評価、いいね、応援、感謝、などが該当一般的に、ソーシャルゲームにおいてはこれら全ての要素が盛り込まれていることがほとんどだと思う。それぞれ、ソーシャルゲームを遊んだことがある人であれば「ああ、あれね」と思うだろう。ただ、それ以外のジャンルで全ての要素を用意しているサービスはほとんど見られない。例えばECサイトであれば、購買に応じて獲得できる(楽天ポイントのような)サイト内ポイントは、「2.交換ポイント系」に該当し、商品レビューそのものや(Amazonであるような)それが参考になったかどうかを示すポイントは「5.ソーシャルポイント系」に該当する。ただし、経験値系やスキルポイント系は基本的にゲーム以外の領域で見ることは現状では稀であろう。通貨系は、サイト内通貨と交換できる商品がないと通常成り立たないが、例えば携帯公式サイトにおいて一般に良く見られるような、月額課金型サービスが提供するデジタルコンテンツ交換用のポイントはこれに該当する。あと今回のセッションでは特に説明はなかったのだが、「進行状況の見える化」という意味で考えると称号・バッジの概念もここに含めて考えるべきであろう。広く捉えると、例えばクレジットカードのランク(ノーマル、ゴールド、プラチナ、ブラック、など)なんかも含まれるはずである。楽天など条件によっては会員ランクが下がることもあるため、この辺はスキルポイント系、という解釈が妥当だろう。そういう意味ではゲーム的な要素を色濃くしていこうとすると、経験値系、スキルポイント系をいかに充実させていくかということになってきそうだ。(つづく)■著者紹介深田浩嗣(ふかだこうじ)株式会社ゆめみ(代表取締役 社長)。1976年京都生まれ。京都大学大学院情報学研究科在学中2000年1月に株式会社ゆめみを設立。高い技術力を駆使し、モバイルEC、メール配信、大規模CRMの開発やソーシャルゲームプロバイダなど「モバイルを戦略的に使うためのコンシェルジュ」として、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける。ゲーミフィケーションの詳細はコチラ。公式ブログほか、Twitterはコチラ。facebookはコチラです。
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