Gamification Summitで例示されたGamificationデザインの実際、続きです。■4)ユーザが自由にカスタマイズ出来るような要素(主にはバーチャルグッズを用いた)を盛り込もう「カスタマイズ」とはここでは基本的に見た目を変えるような意味合いで用いられている。その主な手段としてはバーチャルアイテムが挙げられており、ハコニワ的に見た目を変えるような庭・農場・町・城・バーなどの○○つく系ゲームを想像してもらえるとよいだろう。それ以外には、自分のアバターの見た目を変えるような種類のものもあれば、ツイッターのマイページのように背景画像などを変えるものなどもここに含めて考えているようだ。うまくグッズを入手するためにポイントを稼いでもらい、交換してもらうということが重要になる。一方で、常に新しいグッズを作成し続けないといけないという手間もある。また、他人に見せる要素が強いため、プレミアムアイテムはステータス感を演出することができるし、一定レベルに到達しないと入手できないグッズを用意することでユーザのエンゲージメントを高めることにつながる、とのこと。これまでの・プレイヤー習熟度合いによるデザイン・ソーシャル性のデザイン・ゲーム進行のデザインに比べると、やや汎用性の低いデザイン要素な印象である。特に、ゲーム以外の領域でバーチャルグッズの提供を行ったり、それが使えるアバターやハコニワ的な何かを用意するというのも、ちょっと違和感がある。適用できるサービスとそうでないものがありそうだ。コストもかかってくる。グッズの制作はもちろんだが、アバターのきせかえが出来るような仕組みを用意すること、ハコニワライクな遊びを仕組みとして用意するのもそれほど安価にはできそうにない。飽きられないように、かつプレミア感が打ち出せるようにするにはそれなりのグッズの数が必要にもなってくる。なかなか、「盛り込もう!」と言われてもそう簡単に盛り込めなさそうな感じもするが、カスタマイズが出来ることを重要な要素と位置づけるのであれば、他の手段も考えたほうがいいかもしれない。アイテムではなくてもちょっとした見た目が変えられたり擦る程度なら有り得そうだ。国内のモバイルサービスでも「デコれる」要素はウケが良い。このセッションではなぜこの要素が重要なのかということにはそれほど触れられていなかったのだが、基本的には・(押し付けがましくない)自慢・(創造性を働かせる)自己表現・コレクション欲といった点を充足させることがプレイヤーの楽しみにつながっていくということであろう。とはいっても、ゲーム以外の領域でこうした要素を盛りこんでいく場合には、バーチャルグッズが主なサービス要素にはなりにくいことも多いだろう。ECサイトでアバターやハコニワ用のバーチャルグッズは売ってもいいかもしれないが、それをサイトの主目的にしたいわけではない。カスタマイズさせるとしても、もっと違ったやり方を考えるべきだろう。一方で、キャラクター系のサイトなんかでは相性がいいのかもしれない。ということで、実際の応用に際してはここで説明されていることそのまま、というわけにはいかなさそうだ。(つづく)■著者紹介深田浩嗣(ふかだこうじ)株式会社ゆめみ(代表取締役 社長)。1976年京都生まれ。京都大学大学院情報学研究科在学中2000年1月に株式会社ゆめみを設立。高い技術力を駆使し、モバイルEC、メール配信、大規模CRMの開発やソーシャルゲームプロバイダなど「モバイルを戦略的に使うためのコンシェルジュ」として、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける。ゲーミフィケーションの詳細はコチラ。公式ブログほか、Twitterはコチラ。facebookはコチラです。
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