
シンガポールの象徴、マーライオン
今年9月1日に設立されたばかりのDeNA Asia Pacific Holdingsはシンガポールに拠点を置き、東南アジア、南アジアにおけるソーシャルゲーム事業(Mobage)の統括拠点と位置付けられています。設立時のプレリリースでは、
シンガポールを含む東南アジア・南アジアのデベロッパーへの開発支援やゲームの調達、デベロッパーとの提携・買収などによるゲーム開発体制の構築を図っていく他、グローバル版「Mobage」の同地域向けローカライズを担う拠点として機能を拡大していきます。
と説明されていました。アジア戦略のハブとなるのがシンガポールです。記事ではシンガポールが果たす役割についてもう少し具体的に書かれています。
まず第一に開発コストの削減(あるいは増加を食い止める)ことです。既にUnityでバリバリの3Dを使ったゲームが登場するなど(参照)、ソーシャルゲームであっても高品質化・大規模化の波は避けられそうにありません。森氏はパキスタンやベトナム拠点では雇用のコストが低く抑えられていると述べています。
次に市場を理解するという目的もあります。Mobageの世界展開を目指すディー・エヌ・エーはもちろん東南アジアでもいち早くサービスを開始したいと考えているそうです(森氏は「すぐに」と)。しかし日本からでは各市場は分かりづらいのも確か。アジアのハブであるシンガポールに拠点を置き、現地の通信会社やデベロッパーとの話し合いを重ねて理解を深めていると言います。東南アジアで最初にMobageを投入する国は決まっておらず「出だしで躓きたくない」ため慎重に検討をしているところだそうです。
最後に税金の面でも、法人税が40%にも達する日本やカリフォルニア州ではない場所を選んだという点も記事では触れられています。
各地域でパートナーを選んでネットワークを拡大する方針のグリーに対して、あくまでも自社でプラットフォームを整備していく意向のディー・エヌ・エー。Mobageは米国そして中国でも始まっていますが、勢いのある東南アジアの国々でも近いうちにサービスが開始されそうです。その中で大きな役割を果たすことになるDeNA Asia Pacific Holdingsにも注目です。