NVIDIA(エヌビディア)は、カリフォルニアで開催されているGPU Technology Conference(GTC)において、クラウドゲーム用プラットフォーム「NVIDIA GeForce GRID」を発表しました。「NVIDIA GeForce GRID」は、GaaS(Gaming-as-a-Service)プロバイダ各社に配信環境を提供するもの。GaaSプロバイダ各社は、iOSあるいはAndroidに対応したテレビ、スマートフォン、タブレットなど、あらゆる機器向けにゲームを提供可能になるとのことです。「NVIDIA GeForce GRID」は、専用のウルトラローレイテンシなストリーミング技術を採用した「NVIDIA GeForce GRID GPU」とクラウド対応グラフィックス・ソフトウェアにより構成されています。「NVIDIA GeForce GRID GPU」は、効率の高いNVIDIA Keplerアーキテクチャーを採用しており、最大で8本のゲーム・ストリームを同時にエンコーディングすることが可能です。プロセッサーにはKeplerアーキテクチャーをベースとしたGPUが2個搭載され、GPUごとにエンコーダーも用意されているため、CUDAテクノロジー採用のコア、3,072個で3Dシェーダーにおいて4.7テラフロップスのパフォーマンスが発揮できます。この結果、とても複雑なゲームをクラウドでレンダリングし、エンコードするまでの処理をCPUではなくGPUで行えるようになり、サーバで同時並行に走るゲーム・ストリームを増やすというのが基本原理。ゲーム・ストリームあたりのサーバ消費電力は従来の半分程度まで低下することができ、GaaSプロバイダ各社は、映画ストリーミングと同程度のコストで、スケーラブルなデータセンターを運用できるようになるとのことです。また、高速ストリーミング・テクノロジーではゲーム・フレームをシングル・パスでキャプチャし、エンコードすることが可能で、サーバのレイテンシをわずか10ミリ秒(まばたきの1/10以下)まで減らせます。GeForce GRIDプラットフォームでは、高速フレーム・キャプチャ、同時レンダリング、シングルパス・エンコーディングによって超高速なゲーム・ストリーミングが実現可能となっています。NVIDIAでクラウド・ゲームを担当するジェネラルマネージャであるフィル・アイスラー氏は、「ゲーマーのみなさんには、今後、携帯電話でもタブレットでも、TVでも、もちろんPCでも、いつでもどこでも世界トップクラスのゲームをシームレスに楽しんでいただけるようになります。GeForce GRIDの登場は、ゲームの提供方法とプレイ方法の一変を意味するのです」とのコメントを寄せています。なお、開催中のGTCでは、NVIDIAとGaikaiが協力し、バーチャルなゲームコンソールのデモを提供。16km離れたところにあるサーバのGeForce GRID GPUに、「LG Cinema 3D Smart TV」をつなぎ、Gaikaiアプリケーションを走らせ、複雑なPCゲームをラグなしでスムーズにプレイできるというデモを行ったとのことです。
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