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上海で7月7日から3日間にわたって開催された『ハースストーン(Hearthstone)』の2017年春季選手権「HCT Spring Championship 2017」。Game*Sparkは今大会で、ブリザード・エンターテイメントで『ハースストーン』のe-Sportsシーンで様々な施策を練ってきたマット・ワイブル氏にインタビューを行い、今作の競技イベントに向けた情熱を語ってもらいました。
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――本日はよろしくお願いします。まず、自己紹介や経歴について教えてください。これまで関わってきたブリザード作品や担当していた部分など。
マット・ワイブル氏(以下、マット氏): よろしくお願いします。『ハースストーン』のe-Sportsにまつわる施策を担当していて、イベントの方針などのディレクションを行っています。『ハースストーン』以外だと、『World of Warcraft』や『オーバーウォッチ』のゲーム要素をデザインしたりしていました。
――『ハースストーン』が個人的にもとてもお好きとのことでしたが、1日にどれくらいプレイしているのでしょうか。好みのデッキや戦略についても教えてください。
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マット氏: “たくさん”かな(笑)。テストプレイとして遊ぶこともあるけど、本命のアカウントでは総計1万5,000回は勝利してます。少し前だけど、“翡翠シャーマン”(Jade Shaman)が本当に大好きでした。
――今大会を上海で開催した理由について教えてください。
マット氏: 今回の大会は「Hearthstone Championship Tour Spring」であり、“ツアー”であるからです。中国には熱意のある『ハースストーン』プレイヤーがたくさんいらっしゃいますし、ファン達に向けて私達も熱意を提供したかったのです。
――会場内には『ハースストーン』ファンをニヤリとさせるようなオブジェやコーナーが多数設置されていますが、今大会を開催する上で、特に強く意識したポイントを教えてください。
マット氏: 個人的に一番気に入っているのは、入り口の通路で眺められるアートワーク集です。これまでにリリースしてきたコンテンツを一気に紹介する歴史的なもので、実はもっとたくさんアートワークを用意したくて、通路そのものを長くしたいと思ったくらいでした(笑)。
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――大会の前にプレイヤーのデッキを公開する仕組みがありますが、このルールの意図はどのようなところにあるのでしょうか。
マット氏: 大きく分けて2つあります。1つ目は、映像配信されるプレイヤーとされないプレイヤーの差をつけず、平等にするためです。配信されるプレイヤーのみデッキが公開されるようでは、アンフェアですから。もう1つは、過去にあった出来事なんですが、「相手のデッキに入っているカードを全部覚えている」というプレイヤーがいたんですよね。そんなのウソだろ!と思ったんですけど、実際に頼んでみると全部紙に書き上げてしまった。『ハースストーン』のプレイングに当たって、相手がどういうプレイスタイルでどう対策を練っていくか、戦略を作っていくかという部分を向上させるための仕組みでもあります。
――選手のサポート体制について質問です。今後、渡航費を始めとした支援は更に向上していく方針なのでしょうか。
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マット氏: もちろんプレイヤーを毎回招いて賞金を差し上げたりもしてきましたが、それ以外の方法も模索しています。例えば「選手の宣伝」です。運営側が選手を“ヒーロー”として仕立て上げて、他のチームなどに雇ってもらえるような環境を作っていきたいと思ってます。今回の「HCT」という傘の中以外にも広めていきたいなと。
――昨今では「デジタルカードゲーム」というジャンルがとても盛り上がってきていて、Steamなどでもe-Sportsシーンに参入するような新作カードゲームが本格的にリリースされつつあります。こういった中で、ブリザードエンターテイメントはどのように『ハースストーン』をユニークなものにしていこうと考えていますか。
マット氏: それについては、常に同じプランを持ち続けています。“ゲームを良いものにし続けていくこと”、それだけです(笑)。e-Sportsシーンへの取り組みもそうですし、ファンが楽しめるような作品にするため、ゲームを更に向上していくだけです。
――日本でチャンピオンシップツアーを行う予定はありますでしょうか。
マット氏: 可能性はあります。ありますが、現段階ではまだ検討中ですね。とは言え、日本のコミュニティーが育っているところを見るのは楽しみです。これからの盛り上がりにもよりますが、期待しているところです。
――日本には卓越した腕前を持つ『ハースストーン』プレイヤーが、Tredsred選手以外にもたくさんいます。彼らに向けて激励をお願いします。
マット氏: いつか日本からチャンピオンが現れることも有り得ると思っています。歴史的にも日本はゲーム文化に多感な国ですし、日本のユーザーに注目していただけてることも嬉しいです。ライバルと競い合い、お互いを鍛え上げていくチームワークが育っていってほしいと思います。
――本日はありがとうございました。
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