これは、「超時空要塞マクロス」の海外配給権を持ち、「Robotech」として同作を独自展開する米ハーモニーゴールド社による訴訟。2017年に提起された同訴訟では、『BATTLETECH』に登場するメック“ATLAS”が「超時空要塞マクロス」の“アーマードバルキリー”に酷似しているなどとして複数の機体デザインに対し著作権侵害が訴えられていました。
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しかしながら、“ATLAS”と“アーマードバルキリー”では共通項を見つけることが難しいほどかけ離れたもの。今回の棄却は順当なものであると思えますが、そこには『BATTLETECH』原作を巡る争いが浮かび上がってきます。元々初期の原作『BATTLETECH』では「超時空要塞マクロス」の機体デザインが無断利用されていた経緯があり、これは20年以上前の訴訟の結果、該当のデザインを持つメックは“Unssen”いわゆる“黒歴史”として半ば闇に葬られる形となっていました。
その後、2010年前後に原作『BATTLETECH』を2018年現在擁するCatalyst Game Labsは“Unseen”の使用権利を得たとして一時的に該当の機体が復活していたものの、ライセンス契約が適切でなかったのか、その後“Unseen”へと戻っています。
この“Unseen”を再び復活させようという動きがあったのが2013年。現在でもサービス運営中の基本無料のオンラインゲーム『MechWarrior Online』を皮切りに、“Unseen”をリデザイン、今度こそ正式な形で復活させようというものです。
結果として次々とリデザインされた“Unseen”がゲームに登場、その後に発表された、Harebrained Schemesの『BATTLETECH』にも登場がアナウンスされていました。(実際の“Unseen”には「太陽の牙 ダグラム」「クラッシャージョウ」などのメカも含まれているものの、これらについてはリデザイン後の問題は現在の所起こっていません。Harebrained Schemesの『BATTLETECH』にも多数が収録されています)
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今回の訴訟はその“Unseen”復活に対しての動きであり、事実、今回米ハーモニーゴールド社は、Harebrained Schemesの他、『MechWarrior Online』の運営であり、『MechWarrior 5』を製作中のPiranha Games、現在の原作ゲームの権利元であるCatalyst Game Labs、全てを個別に提訴。今回解決した訴訟は「超時空要塞マクロス」のデザインをオリジンに持つ“Unseen”の登場を一時見合わせる形になったHarebrained Schemesの作品に対するもののみで、具体的な“Unseen”のリデザインへの評価などは今後の残された2社への訴訟の結果を待つ形となります。
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いずれにしても、発売を間近に控えたこの状態で、少なくとも実装分の機体についての問題が解決したことは喜ばしいことではないでしょうか。Harebrained Schemesの『BATTLETECH』は、Windows/Macを対象に2018年4月25日発売予定。価格は4,100円となっており、Steamなどでリリースされます。