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大人気横スクロールアクションゲーム『ロックマン』シリーズ8年ぶりの新作『ロックマン11 運命の歯車!!』(以下、ロックマン11)。シリーズ誕生30周年記念作品としても注目される同作は10月4日に発売が予定されています。
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歴代ナンバリング作品共通の横スクロール視点、ジャンプやショット、スライディングなどを駆使してステージを攻略するのは変わりませんが、グラフィックがこれまでのドット絵から高精細な3Dグラフィックになり、さらには新要素としてダブルギアシステムが導入されました。
新しいロックマンはどのような狙いで開発されたのか。プロデューサーの土屋和弘氏(以下、土屋)とディレクターの小田晃嗣氏(以下、小田)にインタビューすると、「プレイヤーの数だけスーパープレイが生まれる」「ロックマンの面白さを再認識してもらう」など、そこには古参のプレイヤーと新しいプレイヤーが共に楽しめるロックマンを作るという想いがありました。
◆ロックマンの新作を作るのはCAPCOMの責任
――前作から8年ぶりの新作ですが、開発の経緯を教えてください
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土屋
小田が「ロックマンをやってみたい」と持ちかけてくれたのがきっかけです。ちょうど私が30周年に向けて『ロックマン クラシックス コレクション』の開発を手がけていたタイミングでして、「30周年も近づいて来て、世界中のファンがロックマンを待っている」「彼らの期待に応える意味でもロックマンの新作を作るのはメーカーの責任じゃないか?」と独特な言い方をするんですよ。クリエイターとして「俺が作りたいからやらせてほしい」ではなく、あえて「CAPCOMの責任」という言い方がガツンと響いた。
ゲーム作りは人ありきですから。ロックマンの新作を作るために人を集めるではなく、本当に作りあげてくれる人がいて始めてプロジェクトが動き出します。小田は『biohazard 0』や『超魔界村』『ミッキーのマジカルアドベンチャーシリーズ』『極魔界村』『PS4版ストライダー飛竜』に代表されるように、これまでアクションゲームを手がけてきたので、彼がディレクションしたら面白いなと思いました。
小田
一個人としてロックマンが非常に好きでしたが、残念ながらこれまではロックマンを担当する機会には恵まれず、ロックマンのナンバリング作品の開発を傍から見ているだけでした。あるタイミングから新作がなかなかリースされない状況になりましたが、その間もファンのロックマンを求める声はとんでもなく多かった。
聞こえて来るファンの声を具体的な形に変換することができないのか?と考えた時に、これはやはり新作を作るのがベストな答えだと考えて土屋に相談したんです。
――小田さんの言葉がきっかけで新作の開発が始まったのですね。そこから開発メンバーはどのように決めて行ったのですか?
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小田
ロックマン愛というのは一般的に社外から受ける表現ですが、いざ新作を作る時に社内に目を転じてみると、ベテランから若手まで本当にロックマン愛にあふれた、「ロックマンをやりたい」と言う人が多かった。それも職業でゲームを作っているだけあって、分析を兼ねたうえでの視点を持っていて、自分がディレクションする立場で取捨選択するのが難しいほどたくさんのアイディアを挙げてくれるスタッフが集まりました。
土屋
小田自身も常々、人が作る以上、作品の完成度は人の組み合わせで7割は決まると言っていて、実際に「この人だ!」と思う人を自分でも口説きに行っています。また、思わぬ所から「僕はロックマンで育って、作りたくてCAPCOMに入ったぐらいなんです」と自ら志願して飛び込んでくれた人もいました。そこにはいっぱい物語があります。
◆新しいロックマンを打ち出すためのモデルチェンジ
――これまでのドット絵から3Dグラフィックに変えるのはかなりチャレンジングだったのでは?
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土屋
間違いなくチャレンジだったと思います。これまでの伝統を踏まえる部分と、現代に復活させるうえで刷新すべき部分、この方向が絶対に正解だというのがないので悩ましかったです。
小田
ただ、作品の本質を残しつつも、現行のプラットフォームの高性能を活かさないのはもったいなかった。表現の幅が広がりますし、レスポンスの良さを高めることに繋がるわけですから。プレイヤーにとってもグラフィック向上は、ロックマンに限らず新作を待ち望む上で一つの喜びだと思うんです。前作からだいぶ期間が空きましたから、新しいロックマンはこうであるというのを打ち出すべきだと考えてモデルチェンジに至りました。
――ロックマンがボスの特殊武器を使用する際、従来の色だけの変化から大きくフォルムチェンジしました
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小田
ロックマンに携わったクリエイターの多くがそうありたいと願いつつも、性能上の都合であるとか、打ち出した方向性の都合(作品コンセプト上、『ロックマン9』と『ロックマン10』ではファミコン時代の8ビットのドット絵に戻すことが行われた)で行えなかった部分だと思うんです。今回、ようやく実現できる目処が立ち、全ての武器に対応した新しいロックマンのフォルムを用意したわけですが…一冊の本が書けるぐらいの裏話がありました。
見た目に関して大きく意見が分かれましたし、3Dにしたことで撃ち方も一つだけでは表現しきれなくなった。また、撃つ以外の武器のモーションを考えないといけない。ボスの武器は属性イメージが伝わる形にする必要もありました。それらを全部バリエーションごとに考えていくと、デザイナーは案を出すだけでも一苦労で、ゲーム内に落とし込むのは大変でした。
土屋
フォルムチェンジすることによって、やるべきことが激増するのはスタッフも分かっていました。それでも、こちらのほうがより良い作品になる確信がありましたから、「とても大変だよ?」「本当に大丈夫なの?」「途中で脱落しないよね?」とスタッフ間で確認し合っていたのをすごく覚えています。
小田
議論を重ねてデザインを進めてようやく形になったタイミングで、急遽、ボスの武器が変更になって全部やり直しになることもざらでした。昔なら色を変えるだけでよかったんですけどね。
◆年少者でも分かりやすいボスの相関関係に戻したかった
――ボスのデザインはどのように決めましたか?
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土屋
第1作のボスはファイヤーマンやアイスマン、エレキマンといった火・氷・雷と年少者でも分かりやすい属性でしたし、『ロックマン2』でも木のウッドマンとノコギリが武器のメタルマンがいて、ノコギリを投げれば木が切れるといったように予測することができたと思うんです。その中でステージ攻略順序は自由でしたから、自分でボス攻略の順番を決める楽しみがありました。
ところが回を重ねるごとに新しいネタ、刺激的なネタにウエイトが移り、『ロックマン6』では、侍のヤマトマン、インディアンのトマホークマン、騎士のナイトマンが出てくるなど、ボスの相関関係が非常に分かりにくくなっている。なので、今作では細かいデザインを決める前段階で、「過去作とのネタ被りを恐れず、例えば水は火に強いといったようにボスの相関性を分かりやすくしてくれ」と私からチームにお願いしました。
◆新しいダブルギアシステムでプレイヤーの数だけスーパープレイが生まれる
――ステージに関しては、従来のプレイヤーを満足させる部分、新しいプレイヤーが入りやすいようにする部分があったと思いますが?
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小田
変えなかった部分はシンプルなゲーム性です。撃つ、ジャンプ、スライディングの操作が出来れば全ての難所を突破できるというロックマンの文法を絶対崩さないように作りました。そこに新しく導入したダブルギアシステムを織り交ぜることで、コアなプレイヤーもフレッシュなプレイヤーも楽しめる仕上がりになったと思います。もちろん、柔軟性を高めすぎると今度はステージの特色が失われるので、バランスはしっかり取りました。
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土屋
新しいシステムのせいでプレイの幅に縛りが出るということが往々にしてありますが、今回導入したダブルギアシステムは全く逆で遊び方を限定しません。
ロックマンをずっとプレイして来た方でしたら、自分なりのプレイスタイルを追求するために使えますし、アクションゲーム初心者の方でも、これまでのロックマンでよく見られた穴に落ちてしまうよう場所で、スピードギアで時間の流れをゆっくりすることで確実にジャンプすることができるようになる。プレイヤーの数だけ応用して使って頂けるポテンシャルを持っています。
――ダブルギアシステムにはタイム制限があります
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小田
作っていく段階で、「タイム制限はないほうが良いんじゃないか」「回数制にした方が良いんじゃ無いか」など議論が繰り返されましたが、ダブルギアシステムを使いこなしたり、「あとちょっとだったのに!」という悔しさを感じたりしてもらうには、時間制限はあったほうがいいという結論になったんです。
使いこなすことによって、「最初はスピードギアに頼り切っていたけど、パワーギアに変えることで逆にもっと早く難所を突破できるようになった」「もしかしたらここはギアを使わずに突破できるのでは?ギアゲージを温存することで次の展開に集中できる」など、その人なりの戦略展開に結びつけることができます。
それを回数制限にしてしまうと、「ここで使ったらもったいない」と使いどころが固定化されてしまう懸念がありました。無制限に使ってもらって、自分の一番楽しみ方を見極めてもらいたかった。そのうえで開発側からの決めつけは一切していません。まったくギアを使わないプレイも当然成立します。
◆『ロックマン11』から10年、20年とさらに発展させたい
――ここまで開発が進んで、どのような手応えを感じていますか?
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土屋
現時点でとても良い手応えをこのゲームに感じています。ナンバリング作品をずっとプレイしてくれた方はもちろん、ロックマンに触れてこなかった若い方にもおすすめできる。すごく良いアクションゲームとして届けられる仕上がりになりつつあるので、皆さんがどんなプレイを見せてくれるか今から楽しみです。想像していなかったカッコ良いプレイが見られると純粋に嬉しいです。
小田
これまでのロックマンでは、ノーダメージでクリアタイムを短くするといったように、いかに研ぎ澄ませていくかを追求するプレイングが確立されてきたと思います。そういった
定石的なプレイングを良い意味で崩すダブルギアシステムによって、バリエーションに富んだ、エンターテインメント性のあるプレイングが生まれるんじゃないかと思っています。
――最後に、『ロックマン11』を待ち望むファンに何を期待してもらいたいですか?
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土屋
ルールがシンプルで、楽しみのバリエーションは幅広いのが理想のアクションゲームだと思います。ロックマンはファミコンという制限の多いハードに出自がありながら、名作の中に数えて頂けるだけの完成度を持っていたわけです。その部分は現代においても通用すると思っていまして、情報量を増やせば面白いのか?システムを拡張して複雑にすれば面白いのか?と言ったら、必ずしも面白くなるわけではない。
そういう意味では、ロックマンが持っているワールドワイドに通用する強みの部分を、スタッフたちが取りこぼすことなく、活かした『ロックマン11』になっていると実際にプレイして強く感じています。時代を超えて通用するロックマンの「シンプルな中で生み出された楽しみ」をご期待いただきたいです。
小田
ロックマンは「アクションゲームは面白い」を多くの人に感じてもらえた作品ですが、シリーズを重ねるごとに、敷居が高いゲームに見えてしまっているのも一つの事実としてあると感じています。『ロックマン11』を開発するにあたって、「やっぱり僕らには遊べないゲームなんだよね!?」という新しい層のプレイヤーを突き放した難しさがないようにしています。
上手なプレイヤーは、さらに幅のあるプレイができたり、カッコ良さを追求したりできますし、アクションが苦手なプレイヤーは、スピードギアに代表されるようなアシストを得ながら、自分なりの攻略であるとかプレイの仕方が模索できるといった「ロックマンの持つ面白さを再認識してもらえる」仕上がりになると思います。
誕生から30年経っても変わらないロックマンの“面白さ”。『ロックマン11』はそれを軸にしながらも、2018年に発売される“最新作”としての新鮮味を感じさせる作品となっていました。ビジュアル面はもちろん、ダブルギアシステムの登場は今までになかったスーパープレイを生み出し、シリーズにはじめて触れるという人にとっては、心強い味方となるはずです。まだ情報が出始めた頃ですが、ロックマン30年目の進化に期待しましょう。
◆発売日
2018年10月4日(木)発売予定
◆価格
<パッケージ版>
・PS4通常版:4,990円+税
・PS4コレクターズパッケージ:6,990円+税
・PS4LIMITED EDITION:9,990円+税
・PS4COMPLETE EDITION:11,990円+税
・ニンテンドースイッチ通常版:4,990円+税
・ニンテンドースイッチコレクターズパッケージ:7,990円+税
・ニンテンドースイッチLIMITED EDITION:9,990円+税
・ニンテンドースイッチCOMPLETE EDITION:12,990円+税
<ダウンロード版>
・PS4:4,620円+税
・ニンテンドースイッチ:4,620円+税
・Xbox One:4,680円+税
・PC(STEAM):4,620円+税
■限定版や特典に関する情報はこちらをご確認ください
・コレクターズ・パッケージ、限定特典、ショップ別数量限定特典一覧
・LIMITED EDITION、COMPLETE EDITION
◆対応プラットフォーム
PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ/PC(STEAM)
◆ゲームジャンル
アクション
◆ストーリー
運命の歯車が今、再び回り始める!
悪の科学者Dr.ワイリーが禁断の研究を完成させ再び平和なロボット社会に襲い掛かる!彼が完成させたのは『ダブルギアシステム』。ロボットの能力を飛躍的にアップさせる装置だが、あまりの高性能ゆえの危険性から研究は凍結され、ライト博士とワイリーが対立するきっかけともなった因縁の装置だ。
ライト博士は事態に対抗するため、かつてワイリーが作り上げた『ダブルギアシステム』の試作機をロックマンに組み込む決断をする。果たしてロックマンはDr.ワイリーの野望を食い止める事が出来るのだろうか!?
『ロックマン11 運命の歯車!!』公式サイト