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F1を開催するFormula One World Championshipは2020年3月20日、新型コロナウィルスの影響により延期や中止になったグランプリに替わるイベントとして「F1 Esports Virtual Grand Prix」シリーズの開催を発表しました。
今回のシリーズで使用されるゲームはCodemasters開発のPC版『F1 2019』。車両やコース環境などのゲーム内設定は、参加者の実力差を考慮しつつ楽しいレースが行えるよう調整されています。
そして本日、日本時間2020年3月23日の午前5時にその記念すべき第1回目のレースが行われました。今回のレースでグリッドに並ぶのは実際のF1チームの車。また乗り込むドライバーには、実際のフォーミュラカードライバーを始めとした様々な業界の人物が、感染対策のため各地からリモートで参加しています。映像ではヘルメット、レーシングスーツ、グローブにブーツを装備して臨むドライバーの姿もありました。
実際の車両を操ることに比べて、ゲームでは視覚情報と身体に返ってくるフィードバックの情報にズレがあるためか、コースアウトなど操縦に少々苦労するドライバーが散見されます。またコーナーに数台が並んで飛び込み、実際のレースでは積極的にはできないのですが……車体をぶつけて押し合いへし合いしながら走り抜けるなど、e-Sportsならではの盛り上がりを見せました。
What a result! @gyzhou_33 WINS the Bahrain #VirtualGP @svandoorne picks up P2, with @Philipp_Eng third#F1Esports pic.twitter.com/vq9ggckvRP
— Formula 1 (@F1) March 22, 2020
そんな中で今回のレースを制したのはルノーのGuanyu Zhou氏。彼こそが全身装備で臨んだ人物で、現実世界ではルノーにF1テストドライバーとして所属しています。また2位のPhilipp Eng氏はBMW所属のプロドライバー、3位のLando Norris氏はマクラーレン所属のF1ドライバーです。
F1公式発表によれば、今後2020年5月まで「現実世界の」F1レース予定がバーチャルレースに置き換えられるとのこと。またこれはあくまでエンターテインメントを目的としているため、ドライバーがチャンピオンシップのポイントを得ることはないとしています。
なおレース開催日以外の週末は、オンラインでのワールドエキシビジョンマッチも開催予定で、これは本物のF1ドライバーと対戦することができるイベントだといいます。その詳細は今後数週間のうちにF1公式から発表されるそうです。