「宇宙×データ」をテーマとした研究開発を行うスペースデータ社は、衛星データと3DCG技術を活用してバーチャル空間に“もう1つの世界”を自動生成するAIを実験的に開発しました。
本AIは、人工衛星から取得できる地上の静止画像と標高データに機械学習を行い、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させ、3DCG技術によって石・鉄・植物・ガラスなどの細かな材質も自動的に再現するというもの。紹介映像では、東京都内の一部地域が再現されています。
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今回開発したAIアルゴリズムは、従来の3D地球儀が苦手とする人間視点(一人称視点)での自動生成を得意とし、近い距離でも景観が劣化しにくいため、VRゲームや映像制作などに活用しやすい利点があるとのこと。
また、今回は地上の構造物を学習させた上で、AIによって看板などを除いた確率的に最も近い3Dモデルを自動生成させる手法をとっているので、看板・広告などの肖像権や著作権を気にせず利用できます。
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本AIは今後、自動生成された地球の様々な地域の3Dモデルを公開していき、誰でも無料で使えるように無償提供していく予定とのこと。年内には先進国の主要都市の3Dモデルを生成できるように衛星データの学習量を増やし、AIアルゴリズムのブラッシュアップを続けていくとしています。
なおスペースデータ社の代表は、日本の実業家でメタップス創業者としても知られる佐藤航陽氏が務めています。