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任天堂は、6月29日に行われた「第81期定時株主総会」の質疑応答(要旨)を公開しました。
今回の質疑応答は、内容別の10項目に渡って公開。各種サービス・ソフトの展開についてや、相次ぐ新型ニンテンドースイッチの一方的な報道に対する考えなど、多岐に渡る質問と返答が記載されています。
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「怪盗グルー」シリーズなど、映画プロデューサーとして数々の作品を手掛けてきたChris Meledandri氏を社外取締役に迎えることで、同社の映像事業にどのような影響があるのかという声には、代表取締役社長の古川俊太郎氏が「ゲーム専用機で普段遊ばない方にも任天堂キャラなどに触れてもらう場を作ることが、ビジネスの健全で持続的な成長に必要」と前置きし、その一環として、映像も重要なコンテンツになり得る可能性があると返答。Chris氏の経験や知識が、意思決定に有益な効果をもたらすと期待している胸を明かしました。
代表取締役フェローの宮本茂氏による補足では、同社がモバイルや映像を手掛ける理由について「ハード・ソフト一体型のビジネスを世界中に広げるため」と説明。同社のゲーム機が行き渡っていない地域もたくさんあり、モバイルビジネスを通してそういった地域に認知度を広めようとした結果、映像もとても大事という考えに至ったと言います。
Chris氏とは『スーパーマリオ』の映画で5年以上ともに仕事をしており、同社の考えもよく理解しているとしたうえで、専門家として意見を伺うことは、将来の大きな助けになるとしました。
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続いて、『ニンテンドークラシック ミニ』をはじめとする「ミニシリーズ」や、「Nintendo Switch Online」、『リングフィットアドベンチャー』の今後の展開を教えてほしいという声が。これについて古川氏は、いずれも具体的な内容は控えたうえで、サービスの魅力向上や引き続き遊んでもらえるような取り組みを、今後も検討していきたいと返答しました。
そして、話題を集める新型ニンテンドースイッチについても言及。一方的な報道をどのように考えているかに対して、個々の商品の情報を適切なタイミングで伝えるために「Nintendo Direct」を実施していると返答。「任天堂独自の遊びの提案にこだわり、それを実現するためのハード・ソフト一体型のゲーム専用機による遊びの提案を続け、会社を成長させていきたい」と前置きし、そのためのハード・ソフト・専用周辺機器などの開発を常に行っているとしました。具体的な開発中製品についてはコメントを控えています。
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質疑応答の中には、要職に就く方にはゲーム制作の技術がなかったとしても、せめてゲーム好きであってほしい。各取締役候補者の人となりを知るためにも、好きなゲームを教えてほしいという、なんともほっこりする質問も。
これには古川氏をはじめ、宮本氏、上席執行役員の塩田興氏と柴田聡氏、専務執行役員の高橋伸也氏が回答。各々が昨今プレイ中のゲームを語ったり、ど真ん中世代だったファミリーコンピュータの思い出を語ったりと、和やかな話題に花を咲かせています。
このほかにも、「任天堂のジェンダーに対する考え」や「今後のe-Sportsへの関わり方」など、興味深い質問がいくつも飛び出しています。前述した各取締役候補者の好きなゲーム全文など、気になる方は公開された内容を直接ご確認ください。
■第81期 定時株主総会 質疑応答(要旨) ※pdfファイル
https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2021/qa2106.pdf