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2024年3月22日、世界最大手のCDN(Content Delivery Network)事業者であるAkamaiは、メディアに向けた事業戦略発表会を実施。Akamai Technologies CEO 兼 共同創業者のTom Leighton氏が、新たなクラウドコンピューティング戦略「Gecko」を含むグローバル戦略について語りました。
ハイパースケーラーにも負けないAkamaiの5つの強み
今日ではすっかり当たり前のものとなり、社会になくてはならないほどに浸透したといってもよいクラウドサービス。米調査会社のIDCによると、クラウドIaaS(Infrastructure as a Service/CPU、メモリなどのデジタルインフラをインターネット経由でサービスとしてオンデマンドで利用できるサービス)市場は、2019年時点で1,410億ドルの規模に達しているとされています。
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しかし、Leighton氏は「クラウドサービスは必ずしもいいニュースばかりではない」と続けます。かつてのクラウドサービスはコストを抑えられるありがたい存在でしたが、サービスの成熟が進み、ハイパースケーラー(100万台規模のサーバーリソースを保有するクラウド企業)を利用するよりは自社で運用する方がコストを抑えられるという逆転現象も見られるようになりました。
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料金形態も複雑になったほか、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用するハイブリッドクラウド環境を構築する際も、その間隙を突かれて攻撃者に侵入されてしまうニュースもしばしば見られます。
さらに、ハイパースケーラーはその巨大さゆえに利用者と同じユーザーを取り合っている構図になってしまうケースもあります。Leighton氏はそうした状況を「ライバル企業に料金を払っているようなもの」とし、Akamaiは「超分散型」、「完全自動化」、「効率性重視」、「高い信頼性」、「ポータブルで汎用的であること」が優れているとアピールしました。
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過去のハプニングに見るCDNの重要性
AkamaiはCDNを数十という単位ではなく、数百の都市から実行できるべきであると考えているといいます。多くのユーザーのより近いところでコンピューティングを行えば、それだけパフォーマンスや信頼性の向上につながります。
あわせて、プロビジョニング(設備などのリソース必要量を予測し、準備しておくこと)の必要すらないように自動化しておけば、フットワークもより軽くできます。Leighton氏は、そんな“うまい話”をすでに実現しているのがAkamaiであると断言しました。
Leighton氏はCDNの重要性をあらためて語るうえで、米の女性用ファッションブランドVictoria's Secretのある失敗談を紹介。Akamaiがまだ設立されていなかった1990年代末、同ブランドはeコマース促進のためにオンラインでのファッションショー配信を企画しました。
しかし、大規模な宣伝広告が功を奏して多くのユーザーがアクセスしたため、配信サイトのみならずテキサス州ダラスにあるデータセンターまでもがダウン。同ブランドは翌日の新聞で「テキサス全土にインターネット障害を及ぼしたブランド」として報道され、およそ予期せぬ形でWebサイトの周知に“成功”したそうです。Akamaiはそうした障害の再来を防ぐ意味でも、超分散型や完全自動化を推進したのだといいます。
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今日、Akamaiは130カ国750以上の都市で1,000Tbps(テラビット毎秒)のデータ送信、4,100以上のエッジPoP、1,200以上のネットワークを展開しています。日本は、東京だけでも8,000のサーバーが21のデータセンターに分散されています。通常の稼働率は23%ほどなので、イベントなどの実施に対するキャパシティも十分に確保されています。
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また、自動車メーカーのトップ7社、金融サービス機関トップ5社の大手ブランドが利用しており、大きな信頼を寄せられているとしました。
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Akamaiを支えるサイバーセキュリティーサービス
続いて、サイバーセキュリティの話題に移りました。1998年に設立されたAkamaiは2001年からサイバーセキュリティサービスを展開しており、Leighton氏によると実はCDNよりも大きなプロダクトになっているとのことです。