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今年もリモートでの開催となったゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2021」。ゲームエンジンUnityの最新アプデ内容を説明する「Unity 2021アップデートまとめ」セッションが実施されました。Unity2021.2におけるアップデートの注目部分が語られたセッションのレポートをお届けします。
Unity 2021.2では3000以上の修正に加え、720以上の新機能や変更点が行われているとのこと。変更/修正点が膨大であるため、大まかに変化した部分を紹介するハイライト形式でのセッションです。
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エディターの変更点
Unity 2021.2ではエディターの速度におけるパフォーマンス向上と、アーティスト向けのワークフロー改善が行われています。見直された要素はシーンビューのUX。オーバーレイによるツールバーとなったことで個別に脱着することやプリセット作成も可能です。
さらにビジュアルスプリクティングもUnityへ統合され、アセットをインポートする時間も短縮。さらに、空のエディターウインドウを開くとガイダンスを表示したり、アイコンをUnityエディターへあわせた作りにしたりしたとのこと。またVaultで使っていた用語も見直し、ユニットはノードに、スーパーユニットはサブグラフへと変化しています。
デバイスシミュレーターもデフォでエディターに統合。デバイスシミュレーターはiOS/Androidが選択可能なデバイスとして既に実装され、システム言語や回線速度、低メモリシグナルなどを再現できます。
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クイックサーチはエディターに統合されたことでプロジェクト全体を検索が可能です。検索ツールはドッカプルウインドウとなり、プロジェクトやヒエラルキーのアセットなどの詳細を観覧できます。サーチの検索対象は、シーンやアセットだけでなくメニューやプロジェクト設定などにも及び、検索した対象をダブルクリックした時の挙動も選べます。
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パッケージマネージャーでは機能セットが導入。Unityレジストリーの多くのパッケージから2Dや3Dのタイトルを作ろうとした時に「何を導入すればいいのかわからない」という悩みが小さくなるとのこと。
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Import Activity Windowはインポートのプロセスで、どのアセットがインポート/再インポートされたことの把握や、アセットの導入時刻やインポートしてからの時間経過などを確認する機能です。オーバービューからはテキストフィルタで絞り込みもできます。
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パフォーマンスの改善
テクスチャインポートの高速化やメッシュインポートの最適化、インポート時のオプションなどが追加され、全体的にアセットの取り込み速度が短縮されています。インポート時にワーカープロセスを立ち上げも可能。インタラクティブデモ「Book of the dead」では、2.25GBのプロジェクト立ち上げ速度が半分以下になり、検証環境では4倍速になっています。
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アセットのインポートは、プロジェクト設定でワーカーアカウントから可能です。他にもプロジェクトのインポートを紐解くと、時間のほとんどはテクスチャのインポートが大半で、作業内容によってはテクスチャのインポートが重要でない人もいます。テクスチャのクオリティーについて特に関わりない人は、ビルド設定のAsset Import Overridesを調整することで早いコンプレッサーを使えるようになり、圧縮速度が5倍や10倍ほど高速化。なお、これは開発中に使うことを意図した機能です。
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スプリクト関連のパフォーマンス改善も進行中。スクリプタブルビルドパイプライン最適化ですが、ビルドキャッシュのパフォーマンス改善によるビルドプロセスへの最適化を行っています。UnityはインクリメンタルにC#のスクリプトをコンパイルできるようにすることで、WindowsやMac OSなどの様々なプラットフォームにおいてコードビルドパイプラインをアップグレードしています。これによってプロジェクトに小さな変更を加えてもプレイヤーのビルド時間は相対的に小さくなることに加え、将来的には他のプラットフォームにも適用されます。
他にも、新しいスクリーンAPIが4つ追加。ゲームの表示設定を細かく制御できるため、マルチモニターを使用しているユーザーは、ゲームウインドウをどのモニタに表示させるかが可能です。
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Android向けには、スレッド構成の改善による効率かパフォーマンスか選択するオプションがあり、技術的知見の深いユーザーはこの機能を使って、アプリの実行速度や実行方法を細かく制御しパフォーマンスを引き出せます(ほとんどのユーザーはデフォの設定で良いとのこと)。
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WebGLは、改善によってビルド時間が短縮。またiOS/AndroidのWebブラウザにおける将来のサポートのため、ジョイロスコープや加速度センサー、重力センサー、姿勢センサーに加えカメラも動作させるように対応します。また圧縮オーディオもサポートされ、WebGLのブラウザ上で使用できるメモリ量が削減されたとのこと。
グラフィックス
レンダーパイプライン共通の機能については、新しいレンズフレアやライトアンカー、Enlighten GIなどを実装。またReflection Probe Blending & Box ProjectionのサポートによってProbeを使用した反射表現が向上しています。
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オーサリングツール
テラインについてはオーサリング体験が改善され新たなインスタンスモードを実装。テラインブラシはブリッジやクローン、ノイズ、段丘、ねじれをサポート。浸食や風、熱を再現できるErosionハイとマップベースのツールや、ノイズベースやレイヤーベースのペイント制御も搭載しています。
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最後にUnity2021.2betaは講演当日(8月24日)より利用可能となったことを告知しセッションを終了しました。
セッションの内容的には、パフォーマンスの改善やビルド時間の短縮に加え、WebGL周辺が大きく改良され機能が追加されたことや、さらにChromeOSの新たなプラットフォームへの対応などが大きな注目点でしょうか。フィードバックをお寄せくださいということで、Unityユーザーは導入して色々な機能を試してみるのが良いかもしれません。