気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、TNgineers開発、PC/Mac/Linux向けに5月20日にリリースされたゆったり養蜂シミュレーション『APICO』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、緑豊かな世界で資源の収集や生物学、養蜂ミニゲームを通じて現実世界とファンタジーが入り混じった養蜂文化を体験するシミュレーション。旅をしながら絶滅種を再発見し、交配させて新種を生み出し、島の賑やかさを取り戻す手伝いをします。日本語にも対応済み。
『APICO』は、2,050円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Ellこんにちは、TNgineersの1人、Ellです。本作は兄のJamieと2人で開発しました。私が主にプログラミングとアートを担当し、Jamieがストーリーといくつかのアートを担当しています!
私が一番好きなゲームは、おそらく『マインクラフト』か『テラリア』でしょう。前回遊んでから何年も経つというのに、どちらのゲームもまた気づいたらプレイしてしまっている魅力があります。これだけ発売から年月が経っても、今でもとても楽しめる作品ですね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Ell本作の開発は、実は自分が実際にゲームが作れるかどうか、チャレンジするということで始まりました。新型コロナのせいで、私はここイギリスで休暇を余儀なくされたのです。仕事をしない代わりに、政府が給与の何%か支払うということで、雇用を維持したのです。
私も兄もたくさんの自由時間ができました。たくさんゲームを遊んだ後、私はすぐに退屈になってしまい、今が以前からずっとやってみたいと思っていた、ゲーム作りに挑戦する最高のチャンスだと気づいたのです!
――本作の特徴を教えてください。
Ell本作には2つの大きな特徴があると思います。
最初の一つは、本作全体が養蜂ゲームだということです。通常本作のようなカジュアルなシミュレーションタイプのゲームの場合、養蜂は小さな一部に過ぎません。ミツバチの巣がハチミツを生産するだけで、それほどプレイヤーに影響は与えないのです。本作を作るにあたり、私は本物の養蜂のプロセスをしっかりと深掘りしたいと考えました。楽しくありながらも、日々の養蜂家の仕事と同じことを行うのです。
二つ目は、メニューへのアプローチがユニークだということです。好きなだけメニューを開けておくことができます!ミツバチの巣、ストレージ、クラフトステーション…必要なものすべてを開けておくことで、簡単にアクセスできるのです。こうした理由は、すべてのメニューを効果的に管理できるようにすることで、QoLを向上させ、とても楽しいゲーム体験を実現するためなのです。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Ell逃避場所を求めている人すべてにプレイしてもらいたいです!私たちは意図的に本作をとてもゆるい感じにデザインしました。制限時間はありませんし、緊急事態や失敗のようなものもありません。あらゆるものを自分のペースで進めることができ、何をしたいか自由に決められる、サンドボックス要素も多くあります。
大事な目標が存在しないというわけではありませんが(すべての種類のハチを見つけることです!)、プレイヤーには他にもやれることがたくさんあります。プレイヤーにプレッシャーを与えることなく、自由を感じていただくというのは、私たち開発者にとっても重要なことでした。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Ellあります。元々インスピレーションを受けたのは、2010年初頭の『マインクラフト』Modである「Forestry Mod」です。このModでは木、花、ハチで様々な面白いことができました!これが「Tekkit Classic」というModパックの一部だったことから、家にいなくてはいけなかった期間、私たちは2人ともこのModを一緒にたくさん遊んだのです。Jamieが採掘に時間を費やしている間、私はミツバチたちと遊んでいました。
ここからコンセプトを頂戴し、本物の養蜂にフォーカスしたゲームを作ることとなったのです。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Ellありましたが、皆さんが思っているものとはちょっと違います!上でも述べたように、本作の開発がスタートしたのは、新型コロナのせいで家にいなくてはならず、たくさんの自由時間ができたからです。もし新型コロナが発生しなかったら、本作も誕生しなかったでしょう。本作のためのアイデアをもらったゲームを遊ぶこともなかったと思いますし、本作を作る時間も、多くの人に興味を持ってもらった体験版を作る余裕もなかったはずです!
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Ellもちろんです!私たちのゲームを遊ぶ人の姿は見てみたいですし、私たちのゲームを使ってコンテンツを作るのも大歓迎です。たくさんの素晴らしい反応が届いており、たくさんの「養蜂家」の方に本作を楽しんでいただいていますよ!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Ell『どうぶつの森』や『Stardew Valley』といったゆったりとしたゲームがお好きでしたら、本作も楽しんでいただけると思います!
無料体験版も配布していますので、自分に合うかどうか、プレッシャーを感じることなく試していただくことが可能ですよ!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。