気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Mopeful Games開発、PC向けに8月15日にリリースされたコーディネートFPS『Fashion Police Squad』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、ファッショナブルな街トレンドポリスで起きているダサいファッション犯罪を取り締まるべく、ベルトやミシンのような武器、ジャンプやクライミング、スイングなどのアクションを駆使して「犯罪者たち」をオシャレに変身させます。記事執筆時点では日本語未対応。
『Fashion Police Squad』は、2,050円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
PatrickMopeful Gamesのリードデザイナーで共同オーナーのPatrickです。35歳です。ゲーム開発以前は、グラフィックデザイナー兼カメラマンとして働いていました。プロのゲーム開発者になれると気づくと、すぐにその道を選んだのです。ゲーム開発はまさに私にとって夢の仕事であり、あらゆる瞬間を楽しんでいます!
本作は私がSteamでリリースする初のビッグタイトルで、同じく共同オーナーである3人で開発を行なっています。私以外は、Miikaがプログラマー、Konstaが環境アーティストを担当しています。私の担当は、プロジェクトリード、アートディレクター、ゲームデザイナー、ピクセルアーティスト、アニメーション、UIデザイン、そしてライティングです。たくさんのことを担当しています。
私の好きなゲームをいくつか挙げると『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』『ペルソナ5』『オーバーウォッチ』『XCOM 2』『Stardew Valley』です。いろんなジャンルを楽しんでいますよ!
時間があるときはジムに行ったり、ロックと呼ばれるストリートダンスをしています。これは日本でも人気ですよね。私のダンスの経験は本作のプロモーションにも役立っており、こちらの動画ではゲームのサウンドトラックに合わせて私も踊っています。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Patrick私はここ、フィンランド・ヘルシンキにあるアールト大学でゲームデザインの修士号のために勉強していました。その中で、私たちはゲームプロジェクトクラスのためにゲームを企画しなくてはいけなかったのです。そこで私が思いついたのが、本作でした!プロトタイプを作ると、多くの人に気に入っていただけたのです!
本作の企画が通り、チームを結成し、学生プロジェクトとして4ヶ月間開発しました。それからは空いた時間を使って開発を続け、パブリッシャーからの支援も取り付けることができ、完成させることができたのです。
FPSを選んだ理由は、私がこのジャンルにとても親しみがあったからです。それでも何か異なることをしたいと思い、本作のコンセプトを思いつきました。
私はプレイしている人の心配事を忘れさせるゲームを作りたいと思っていました。楽しくプレイでき、笑顔になり、笑えるようなゲームです。ゲームというものは私にとって、いつでも現実世界の心配事から逃避できる機会を与えてくれました。私もそういうゲームを作りたいと思ったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Patrick本作は非暴力的FPSで、血も出ませんし、誰かを殺したりもしません。私たちは暴力なしに充実感のある楽しいシューターを作れることを証明しようと思ったのです!殺す代わりに、プレイヤーは「ファッション犯罪」を解決します。ペイントボールショットガンやミシンガンを使ってより良い服装に着替えさせるのです。
コアとなるシステムも面白いものになっています。異なるファッション犯罪に合わせて、武器を選ぶ必要があります。ブカブカでサイズが合っていないスーツはペイントボールでは直せません。裁縫しなくてはいけないのです。これにより、戦場での頭の使い方が変化し、すべての武器を使い分ける必要が出てきます。まったく新しい感覚ですよ!
多くの武器が移動システムや周りの環境と関係しており、例えばベルトオブジャスティスを使うと、敵をスタンさせたり、ファッション犯罪を解決したり、箱を壊したり、ドアを開けたり、スパイダーマンのようにスイングできます。他にも熱いお湯に向けて撃つことで衣服を小さくする水にすることや、床を撃ってスライド移動できるようになったりするものもありますよ!
また、本作にはたくさんのジョークとユーモアが溢れており、これも他のゲームと差別化できている点だと思います。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Patrickすべてのシューターファンの方ですね!イージーからベリーハードまで難易度が用意されていますので、あらゆるレベルの人が楽しめます。FPSゲーマーによって作られたゲームですから、がっかりはさせませんよ。また、とてもおバカなゲームですので、ユーモアのあるゲームが好きな人にも楽しんでいただけるでしょう!カジュアルゲーマーで、FPSに挑戦してみたい人も歓迎です。イージーモードはとても簡単にできていますし、本作のテーマも明るく楽しいものになっています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Patrick本作は主に昔のゲームから影響を受けており、たくさんのネタが散りばめられています。FPS作品からは特に大きな影響を受けており、『Doom』『Duke Nukem 3D』『Unreal Tournament』『オーバーウォッチ』などですね。
また、本作は「裸の銃を持つ男」や「ポリスアカデミー」のような昔の警察コメディ映画からも影響を受けています。「ル・ポールのドラァグ・レース」も大きな影響を受けたものの一つですね!
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Patrick現時点で日本語対応予定はありません。現在、日本人プレイヤーは42人しかいないからです。もしもっと増えれば、もちろん検討しますよ!
有志翻訳は難しいでしょう。本作にはたくさんのジョークや言葉遊びがあります。とはいえ、完全に翻訳を拒否はしてはいませんので、ローカライズ会社に頼んで日本の皆さんにお届けする可能性もあります。
もしもっと多くの日本人の方に遊んでいただける良いアイデアがありましたら、いつでも教えてください!本作は将来的にコンソールでもリリース予定です。もし本作の配信、レビューなどをやりたいのであれば、こちらまでメールでご連絡ください!
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Patrick学生プロジェクトの終盤に、新型コロナがやってきました。しかし幸運にも、自宅から開発を続けることができたのです!今もまだ私たちにオフィスはありませんので、自宅から作業を続けています。私たちは小さなチームですので、これでもうまく機能していますよ!
新型コロナの間、本作の開発は良い意味で私たちを多忙にしてくれています。開発はめちゃくちゃ楽しいですので、ストレスや不安も解消できるのです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Patrickはい、もちろんです!チャンネルの証明をしていただければ、無料でキーをお渡ししますので、メールかTwitterでご連絡ください!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Patrick本インタビューを読んでいただき、ありがとうございます!私たちは新参者たちの小さなチームですが、今後たくさんのクリエイティブで楽しいゲームを作っていきたいと思っています。本作の売上で次回作の開発費を用意できれば良いなと思っています!現時点で本作は94%のポジティブなレビューをいただいています。たくさんのプレイヤーの方に楽しんでいただいており、嬉しいです。
もし本作を気に入っていただけましたら、購入し、お友達にも教えてあげてくださいね。とても助かります!
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。