SNSや友人間での話題として性格診断を見かけたり、参加した経験はありませんか?時流に合わせた様々な性格診断が流行している印象ですが、実はゲームに関連した性格診断も存在します。そんな性格診断のデータを利用した興味深い分析結果を、診断を提供するマーケット調査会社Quantic Foundryが発表しました。
期間9年、150万人のゲーマーが回答した大調査
分析に使用されたのは過去にGame*Sparkでも紹介した「ゲーマー動機プロフィール(Gamer Motivation Profile)」診断。85万人のデータを元にゲームプレイのモチベーションをアクション、社会性、熟達、達成、没入、創造性の6つに大きく分類し、更にそれぞれについて2つの下位分類に分けられるとした物です。
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公開されたこの診断は2015年6月から2024年4月まで、170万人のゲーマーによる回答を集めたとのこと。その中から、あまりにも例外的であった中国からの回答を除外した157万人分のデータを元に、今回ゲーマーによるモチベーションがどのような変遷を辿ったのかを分析したのだといいます。ちなみにQuantic Foundryは中国のデータが例外的であった原因を、ゲーム業界の発展が歴史的に孤立していたためではないかと考察しています。
ストラテジー人気が大幅低迷…!?
分析の結果では、多くのモチベーション傾向については僅かな変化は見られながらも長期的に安定していた一方、熟達カテゴリーの戦略性については大幅な減少したことが示されました。現代の約3分の2のゲーマーが2015年当時の平均的なゲーマーよりも戦略性を重要視しておらず、その変化の規模は二番目に大きな変化をしたカテゴリの2倍以上に上る「明らかな例外」と表現されています。
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注意持続時間の減少と関係あり?SNS等でも多くの議論呼ぶ
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診断における戦略性のモチベーションモデルは、思考、計画、慎重な意思決定の魅力と定義され、計画と複雑な意思決定にコストをかけるような、そのものずばりストラテジーゲーム系統を好むゲーマーが高いスコアを獲得します。この定義と分析結果から、記事では戦略性のモチベーション低下は、プレイヤーの注意持続時間の減少と関連している可能性を指摘。ただし、これはゲーマーに特異な物というわけでもなく、ショート動画の台頭やPCでの1つのウィンドウの利用時間といった様々な要素で同様の現象が見られると語りました。
さらにデータやテーマの性質上、因果関係を特定するのは困難であるとしながら、メディアの多様化によって人々の認知リソースが過負荷状態となっているのではとの仮説を提言。一方ゲーマーの戦略的な思考に対するモチベーションが低下してきているのは明らかであることから、ゲームデザインとマーケティングへ影響を与えるとの見方も示しています。
SNSではこの分析について「中毒的なゲームの仕組みが増えているのだから当然」といった意見や「ゲーマーの幅が広がったせいでは?」など賛否入り混じる議論が繰り広げられている様子。また、記事のコメント欄でも同様に様々な指摘や意見が投じられました。こちらに対しては記事の著者が丁寧に疑問への回答を行った物もあり統計学的にも興味深い話題が並んでいます。気になる方は是非原文をご覧ください。