
思わず笑ってしまうシーンや、難関ボス撃破時などゲーム中の“良い”シーン。そんな場面に出くわしたら多くの人が利用するのが、「スクリーンショット機能」およびそれで撮られた「スクリーンショット」です。これらを多くの人々が略称として「スクショ」と呼んでいますが、この呼び方にとある話題が持ち上がっています。
◆「スクショ」商標登録済……?
それは「スクショ」という言葉がすでに商標登録されているのではないか、という話題です。きっかけは、とあるLINEスタンプを制作しようとした人物がそのスタンプ内に「スクショ」という文字列が含まれていたため、商標であるとして申請が却下されてしまったことです。実際に特許情報プラットフォーム上では、本記事の執筆時点で商標を確認できます。
商標登録の是非は別として、ゲーマーであれば不用意に用いがちな「スクショ」という言葉が商標となることで全国のゲーマーたちに、果たして影響などないのでしょうか?
◆全国のゲーマーたちの影響いかに?
まず商標について知っておきたいことですが、商標には「効果範囲」があるということです。申請の際に提示された商品・役務外では効力を発揮しません。今回の申請では、その範囲はほとんどコンピュータシステムやWebサービスなどの範囲に留まるでしょう。また本来の名称であるところの「スクリーンショット」はそもそも商標ではありません。
さらに、強力な権利として知られる商標ですが、実は商標には効果範囲でも効力が及ばないケースがあります。商標法第二十六条には「著名な略称を普通に用いられる方法で表示する」場合、商標権の効力が及ばないとされています。それを考えると、例えば日常生活などでスクショという単語を書き込む程度ならば問題にはならず、例えば言葉狩りのような様相を呈することはないでしょう。
なお、今回の事案について弁理士の栗原潔氏はYahoo!ニュースの「エキスパート」にて詳しい解説をしています。こちらもあわせて見るとより理解が深まるでしょう。
商標取得のGMOメディアからもアナウンス
本件に関しては、多くのネットユーザーからの反響を受けてか商標を取得したGMOメディアからもアナウンスが行われました。それによれば商標の取得は「スクショ」という言葉を日常的に使用すること(例:SNS投稿・創作活動など)や個人による表現・創作活動を制限する意図ではないとしています。
現代においては、スマホゲーでもPCゲー、それにコンシューマー機でも使われる「スクショ」。身近な機能だけに、少なくとも一般的なユーザーにとっては商標の有無が問題を及ぼすことがなさそうなのには一安心と言えそうです。