9月11日に開催された「Goldman Sachs Communacopia + Technology conference」において、NVIDIAのCEOであるジェンセン・フアン(Jensen Huang)氏が、「今日のCGにはもはやAIが必要不可欠なものになっており、CGの表現技術に大きな変化が起きている」と述べたと、海外メディアのGamespotが報じています。
フアン氏は、NVIDIAのグラフィックコンピューティングはAIを使ってごく一部を計算し、残りの部分は推論させていると説明。そうして描画されたグラフィックスは「写実的で、信じられないほどに画質がよい」と述べました。
AIは、エネルギー消費量の大きさがしばしば問題となっています。一例として、2030年までに温室効果ガスの排出量を半分以下に削減するカーボンネガティブを掲げていたマイクロソフトは、AIに注力することで温室効果ガス排出量を逆に増加させています。
しかし、フアン氏は「ピクセルの計算には多くのエネルギーが必要ですが、AIに推論させるピクセルにはエネルギーがほとんど必要となりません。この技術を使ったコードを生成すれば、生産性が向上するだけでなくエネルギー消費もむしろ削減できます」と述べました。
NVIDIAによるDLSS(Deep Learning Super Sampling)はAIがパフォーマンスを向上させていること、ソニーから発表されたPS5 Proに導入されているアップスケーリング技術・PSSR(PlayStation スペクトルスーパーレゾリューション)にも同様のAI技術が採用されていることを付け加えました。
フアン氏は続けて、NVIDIAにおけるAIイノベーションはCGにかぎらず自動運転車、ロボット工学、デジタル生物学など広範にわたり、ゲーム開発の62%がアニメーションにAIを活用しているとも語っています。