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テレビにインターネットが繋がる事で、テレビ放送とインターネットをシームレスに融合。大迫力の映像視聴と膨大なインターネットコンテンツが融合する新たな体験を模索します。
発表によれば「Sony Internet TV」にはIntelのAtomプロセッサーが乗り、Androidプラットフォームが搭載されます。ブラウザにはGoogle Chromeが用意され、テレビ番組を視聴しながらツイートしたり、スポーツの試合結果を見ながら関連動画を検索したりすることができます。
さらに、ソニーが提供する映像配信サービス「Video On Demand powered by Qriocity」が視聴できるだけでなく、CNBC、Napster、NBA、Netflix(オンラインビデオ)、Pandora(ネットラジオ)、Twitter、YouTubeなどのアプリケーションがプリインストールされるそうです。
そして更に重要なのは、Android Marketにも対応するということです。プレスリリースでは「2011年初めには、アンドロイドマーケットからのアプリケーションのダウンロードも可能になる予定で、まさにユーザー個人に最適にカスタマイズした楽しみを提供します」という短い一文ですが、重要な一文です。
Android Marketが利用できるということは、数多のゲームもダウンロードして遊ぶ事ができるということです。テレビで。
iPhone向けに開発していたアマチュアゲーム開発者は、僅かな変更でタブレット型のiPadにもゲームを提供できるようになりました。Android向けに開発していた開発者は、大きな変更なしにテレビにもゲームを提供できるようになります。リビングにある、大画面の、家庭のコミュニケーションの中心にあるテレビです。
これまでテレビは限られた者にしか解放されていませんでした。番組を放送したければ、テレビ局のような施設と放送の為の権利が必要で、ゲームを作りたければゲーム機を持つメーカーに伺いを立てなければいけませんでした。それがAndroidが乗る事で一変します。テレビは世界中の開発者がしのぎを削る場になります。当初は玉石混交でしょう。しかし次第に良質なゲームも揃うに違いありません。
スマートフォンによって携帯ゲーム機の立場が揺らいだのと同様に、「Google TV」のようなスマートテレビの登場によって家庭用ゲーム機の存在意義が問われます。任天堂はその解の一つとして、立体視と通信環境の整備を3DSで提示しました。家庭用ゲーム機の次世代機は1、2年で登場することはないと言われています。
一方で、家庭用ゲーム機には幾つかの必然性があったと思います。高性能なゲームを実現すること。そしてゲームのためのインターフェイスを提供すること、です。それが過去の物になったわけではありません。しかし、テレビでゲームをするための唯一の選択肢ではなくなった家庭用ゲーム機は、それらの要素、もしくは新しい可能性を見せていかなくてはなりません。