ngmocoに関しては買収直後に東京のコアメンバーを含むインテグレーションチームを結成。日米横断の事業推進体制作りに取り組んできました。南場氏は「考え方ややり方の相違について避けることなく徹底的に議論して、完全なインテグレーションが完了した」と言います。開発に関しても、リソースの配分に関しても、そしてビジョンにおいてもお互いの考えは完全に一致しているとのこと。創業者でCEOのニール・ヤング氏は6月の株主総会後、本社の取締役に就任します。
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駆け付けたニール・ヤング氏
それもこれもngmocoが米国ではなくグローバルな主軸になるという考えがあってのこと。同社は『We Rule』や『God Finger』などスマートフォンのソーシャルゲームで実績を上げてきましたが、新作ゲームの開発は止め、「plus+」をベースとしたグローバル戦略の中核となるMobage Globalのプラットフォームの構築に邁進しているとのこと。また、Mobageを最大限に活かすためのゲームエンジン「ngCore」の開発も進めます。
海外市場においても内製ゲームをヒットさせ外部のデベロッパーの参加を促すという戦略は変わりません。それを担うのは国内の開発チームや買収したGameviewです。既存のゲームのngCoreへの移植や国内の企画チームと連携したグローバル向け新規タイトルの開発に着手しています。既存ゲームも国内チームの集客・マーケティング手法を取り入れることで、3月の売上は12月と比較して倍に伸びたそうです。
海外でのユーザーの獲得には広告とアライアンスの推進が考えられます。既にサムスンとグローバルで提携が決定し、「Galaxy S 2」以降、Mobageがプリインストールされます。また、ドコモとの提携を活用し、ドコモと関係の深い海外キャリアとの提携を模索しているようです。
有力な市場である中国ではMobage Chinaとして、国内のサービスのローカライズを行い進出を図ります。昨日にはネットドラゴングループの91.com(有力アプリストア)との提携が発表されましたが、今後も有力プレイヤーとの連携を考えているようです。内製タイトルのローカライズを中心に展開。海外で成功したタイトルのローカライズや、中国国内のデベロッパーへの参加要請も積極的に実施していくとのこと。
この市場は成長が期待され競合も多くなると見られます。この点に関しては守安COOからコメントがありました。「海外のプレイヤーも有望視しているというのはその通りです。彼らは日本の成功事例を研究しています。しかし好都合な事は、彼らは日本語が分からないということです(笑)。見ても感覚的に分からないんです。でも我々は英語が読めるという意味で有利です」と冗談を飛ばしながら次のように話しました。
「クオリティや操作性では海外のスマートフォンのゲームの方が進んでいます。一方で、ソーシャル性やARPUや継続性を上げるゲーム性については我々の方が進んでいます。ngmocoやGameviewとの統合を進めて、それぞれのノウハウを結合すれば、スマートフォンならではのソーシャルゲームが提供できると思っています。ですので、現時点で競合を気にするよりは、我々自身がユーザーに受け入れられるサービスを作るのが大事だと考えています」
(おわり)