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本日は、DJプレイを手軽にできると、話題沸騰中の音楽共有ソーシャルサービス
「turntable.fm」(TechCrunchの紹介記事)をご紹介します!
このサービスの特徴は、WEB上の仮想のクラブで、DJとして演奏することで、
曲を聴いた観客から演奏内容を評価され楽しむことができることです。
(DJが演奏中している曲を聴きファンとして誰かを評価する楽しみもあります)
それでは、どの場面でどんなGamification要素が活かされているのか、それぞれ見ていきましょう。
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「turntable.fm」のDJとして成長していく流れを図にしてみました。
1:サービスの利用を開始してDJとしてプレイ
「turntable.fm」は、Facebookの友達の誰かが遊んでいなければ、
登録して利用することができませんので、誰かに招待して貰いましょう。
ROOM作成手順
「turntable.fm」を始めたら、自分のROOMを作成して演奏を始めましょう。
2:アバター
アバターは演奏を評価され、貯まったDJポイントと交換することができます。
(DJポイントは後述でご説明いたします)
交換できるポイントには段階があります。DJポイントを交換可能な量まで
貯めることでアンロックが外れ交換できるようになります。
0〜99(初期から変更可能)100〜299|300〜599|600〜999|???(交換条件不明)
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2-1:アバターを変更するメリット
「turntable.fm」はファンの人数の表現を、再生回数で表現するのではなく現在
リアルタイムにログインしている人たちを、アバターとして表現しています。
ユニークユーザー 1人 = アバター 1体
一目見て、「アバターが変わっている」ことで「演奏しているDJ」
と「ファン」の両方に以下のメリットがあります。
DJ
アバターを変更したことにより、DJポイントが高いこと、
ファンが多いことを視覚的にアピールすることができています。
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ファン
メーターの「Awesome」を押すと、アバターがリズムよく踊ります。
他人より、目立つアバターで踊ることで、他人との差別化ができDJに
自分が評価していることをアピールすることができています。
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双方へのメリット
DJとファンのどちらも、「相手により良く見せたい」、「見てもらいたい」
という欲求と、評価している・されている指標がアバターを使い、可視化できているだけ
でなく、盛り上がっているクラブの臨場感と一体感の演出をする効果があります。
3:演奏を評価して貰う
DJとして演奏をすることは楽しいことですが、観客に評価をして?
もらえないとDJポイントもファンも獲得することができません。
3-1:DJポイントを獲得する
DJポイントは何につかうの?と言いますと、アバターと交換するために使います。
DJポイントは画面下メーターで「Awesome」=素晴らしい
(1ポイント獲得)を押して貰う必要があります。
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「Lame」=ダメ(レッドゾーンに達すると演奏をスキップ)で
DJポイントを貰うどころか、スキップで演奏が中断される可能性も
ありますので、ちゃんとセンスの良い曲を選んで演奏しましょう!
(同じ曲を演奏している最中は1回のみ評価して貰えます)
3-2:ファンを増やす
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演奏しても聴いてくれる人「ファン」がいないと楽しくないですよね?
観客がいい曲と評価してくれれば、DJにカーソルを合わせ「Become a Fan」
を押すことでファンになってもらえます。観客とはチャットで交流することができます
ので、リクエストに答えてみると「ファン」になってくれるかもしれませんね。
4:Room
Roomでは、DJとしてプレイする為に5つのテーブルがあります。
参加するには、まずテーブルに着席する必要があります。(テーブルの上限人数は5人まで)
1人5分演奏したとして、5人いると順番として25分に1回しか自分の順番が回ってこないことになります。
この待ち時間に部屋を出ると別の人にテーブルに
着席されるため、部屋を移ることも、ログアウトすることもできません。
しかもその部屋でテーブルについている他人が、DJポイントを
競っている相手であれば、なおさら動くことはできないでしょう。
これは、ソーシャルゲームにおける行動力が回復するまでの待ち
時間と同じくソワソワしてしまう心理が働きます。
5:DJのきそいあい
DJも待ち時間に何もしていないわけではありません。
ファンになっている、演奏を待っている人とチャットで交流しながら選曲内容を練ります。
もし、順番が先のDJが自分が流そうと考えていた曲を流した場合、選曲を変更する必要がありますよね?
お互い、選曲がかぶらないだけではなく、個性を打ち出す為に試行錯誤をしているわけですね。
また、曲も自分でアップロードすることができる為、DJの中には自分で楽曲をマッシュアップして対抗しようとする人も出てきています。
これは、ニコニコ動画における、「演奏してみた」、「歌ってみた」、「弾いてみた」
など自分の個性を打ち出すニコニコのクリエイターたちと同じ行動なのが興味深いですね。
6:ファンを増やしさらに交流を広めていく
DJとして遊び始めた直後には、DJポイントもなく。ファンもまだいませんでした。
だんだんと、慣れてくるとDJポイントも貯まり、ファンもそこそこ集まってきました。
でも、まだまだ上級者が多くてなかなかDJポイントが増えない。ファンも伸び悩んできた
そんな時は、「turntable.fm」に招待してくれた友人と一緒に遊んでみてください。
お互い知り合っている仲であれば気兼ねなく、一緒に遊ぶことができ
リアルな世界の友人との音楽を通じた交流で会話がはずむのではないでしょうか?
DJポイントが貰える、ファンが増える、アバターが貰えるだけでなく、本当の友達
からも賞賛を貰えるようになれば、最高にハッピーなDJライフになるでしょう!
【gamification要素まとめ】
以下の要素【共感心理・一体感の演出×競走心理の演出】
を掛け合わせることでバイラルを効かせ成長する、続けるモチベーションを
維持した状態でリテンション向上に繋げることができています。
■共感心理・一体感の演出
他の音楽共有サービスでは、リアルタイムでアバターが動くものがなく
演奏時のアバターによるリアクションで、本物のクラブの一体感を演出できている。
また、アバターが踊る・動くなどのアクションはアメーバピグにも見られますが、
好きな音楽を流して、共感してもらえるようなサービスが、米国で今まで存在しなかった
ことがより拍車をかけていると思われます。
■競走心理の演出
DJの個性を打ち出す為、選曲の工夫(マッシュアップ)やアバターの
変更で、「いかに自分をよく演出する」か競い合う環境がよくできています。
■おまけ(実際にやってみた時の心理状態)
・DJとしては盛り上がっている「turntable.fm」でDJとして曲を流したくなる。
・ファンとしては競い合っているDJで気に行った人がいたら、ファンとして応援したくなる。
今回すごい書いていて面白いテーマでした!
現在、「turntable.fm」は6月26日(日)よりアクセス制限のため
遊ぶことができない状態ですが、近いうちにまた遊べることを期待しています。
それでは、次回の記事でお会いしましょう。
この記事は「fishmen」よりお届け致しました!
■著者紹介
深田浩嗣(ふかだこうじ)
株式会社ゆめみ(代表取締役 社長)。1976年京都生まれ。京都大学大学院情報学研究科在学中2000年1月に株式会社ゆめみを設立。高い技術力を駆使し、モバイルEC、メール配信、大規模CRMの開発やソーシャルゲームプロバイダなど「モバイルを戦略的に使うためのコンシェルジュ」として、モバイルインターネットサービスの企画・開発・運営を手がける。ゲーミフィケーションの詳細はコチラ。公式ブログほか、Twitterはコチラ。facebookはコチラです。