ひとりで考えていても、ありきたりのアイディアで詰まってしまうものが、何人かのアイディアを持ち寄れば、3人寄れば文殊の知恵的な発想もあり、そこにエンタメ系独特の人脈の増幅も加われば、おもしろいコンテンツが出来上がる可能性が高くなると思います。
さて、この頃、多い相談はやはり職場関係ですね。それも転職です。ま、これに関してはサラリーマンである限りは永遠のテーマですね。僕もずいぶんと転職回数が増えてしまいましたが、その時々の自分の判断が間違っていたとは思っていません。むしろ、お金(給料)をいただいて勉強をさせてもらって、ありがとう・・・という思いのほうが強いです。
それでも、それでもですよ・・・中には、「え〜」と思うような会社や人間関係もあるのも事実です。ま、お互いさまよ・・・という考えもありますが、中には周囲が驚くようなケースもあります。いずれ自伝を書いた時にはあきらかにしたいですが、明らかに邪魔モノ扱いされるケースも稀有な例ですが、ありました。
ちなみに僕のことではありませんが、オトコの嫉妬ほどいやなものはないと感じたことがあります。某ゲームメーカーの広報宣伝担当の責任者だった人のことですが、身長は180センチ超、ルックスもカッコいいです。ファッションもこだわりを感じさせるもので、スタイリストでも付いているんじゃないかと思うような人でした。もちろんその人は見た目だけの人ではなく、どうやったら多くの人にコンテンツの良さを知ってもらえるかとか、より効果的なPRは何かというのを常に考えていました。僕には彼の仕事ぶりは素晴らしいものだということを感じていました。しかし、彼なりのやり方はどうやらその会社のなかではあまり主流ではなく、また他人を寄せ付けないその雰囲気が周りから徐々に反発を受けているような様子もうかがえました。そんなとき彼はいつも、「別に誰にわかってもらえなくてもいい。とにかく自分のミッションは作品を知ってもらい、1本でも多く売ることだ」というものでした。しかし、会社の規模が大きくなるにつれて、彼に対するやっかみや嫉妬を感じるようになりました。「見た目も良くて、仕事もできる。そりゃ男も嫉妬するよ」というのが周りの評判でした。
男の嫉妬ほど恐ろしいものはありません。よく世に言う女性の嫉妬は表面的なものが多いですが、男性から男性への嫉妬の場合は、全否定をされるケースがよく見受けられます。それでも嫉妬される側は本来スケールがでかい人の場合が多いのですほとんど気にしていません。それが逆に嫉妬する側の炎をさらに燃やすようです。
さて、どちらの立場にしても、あまり建設的ではありませんが、嫉妬、政治、駆け引きなどが多いのも事実です。会社がどんな環境だろうが、一等地にあろうが、要はガワの問題ではなく、そのコンテンツ(中身)の問題です。どんな立派なパッケージでも、中身がクソゲーでは買ったほうはたまったものではありません。経験上思うことですが、エンタメコンテンツを創る企業の社員が、リストラや配置転換で常におびえているようなところではお客様の心に感動を呼び起こすことができないということです。
■著者紹介
メディアコンテンツ研究家
1960年・東京都生まれ。武蔵大学卒。レコード会社を経て、株式会社ギャガコミュニケーションズ(現・ギャガ)、株式会社セガエンタープライゼス(現・セガ)、株式会社デジキューブを経て株式会社デックスエンタテインメントを起業。映画製作配給、オンラインゲーム企画開発運営に携わる。その後株式会社ブシロード副社長、株式会社コナミデジタルエンタテインメントを経て、現在は株式会社NHNジャパンにてオンラインゲームの企画開発運営に携わる。一方で数々のエンタメ産業への造詣が深くメディアコンテンツ研究家としてコラム執筆を行う。ブログもご参照ください。Twitterアカウントはku6kawa230。