パネリストはデロイトトーマツ コンサルティングから、セミナーの基調講演も務めた八子知礼氏と中山敦雄氏。Wowmax Media LLCの海部正樹氏。CRI・ミドルウェアの押見正雄氏。そしてTwitterのつぶやきがコミックになるアプリ『Feel! on POST』をリリースし、英語版がインドネシアのApp Storeでコミュニケーション部門の第1位を記録した、L is Bの横井太輔氏です。なおモデレータはCRI社の幅朝徳氏が務めました。
また八子氏は「当初から海外展開を前提にしていないものは、一般的に難しい。また国内向けに作られているアプリの中には、あえて海外展開する意味がないものもある」と警鐘を鳴らしました。これについては横井氏も、『Feel! on POST』の英語版開発が、カナダの開発スタジオと共同で1年かかったとコメント。逆に日本人が作ったものでも、カメラ系などのアプリなどは、比較的海外展開に成功していると補足されました。
■社内のネガティブな声をどう解決する? 「海外展開で苦労している点」という質問に対して、横井氏は「今も苦労している最中」だとしつつ、やはり言葉の壁が大きいとしました。同社の「Feel! on POST」はツイートの内容に応じて漫画風のイラストが自動生成されるというものですが、アプリを見せて驚かれても、なかなか海外展開に結びつかなかったそうです。本気で海外展開を行うには、海外に拠点を設置し、海外スタッフを登用する必要があるが、スタートアップ企業では難しいとコメントしました。
ちなみに「Feel! on POST」のインドネシアでの成功についても「インドネシアではブラックベリーが大人気で、iPhoneの普及台数が少ないことが背景にあるのでは」と冷静に自己分析していました。マーケティングを積極的にしたわけでもなく、シンガポールでのイベントでプレゼンしたところ、口コミで広がったといいます。もっともダウンロード数も日本の半分以下というのが現状で、貨幣価値が違うため、売上も立ちにくいのが現状。それでも海外からの取材を受けるなど、ビジネスのネタが多数生まれたのはメリットだったと回答されました。