12月20日の15時35分より福岡市のアクロス福岡にてカンファレンス「ウケるコミュニケーションデザイン」が実施されました。このカンファレンスは、18日から開催された「スマートモビリティアジア」の最終日に行われた同時開催イベント「インディペンデントゲームジャパン」の1つとして設けられています。登壇者はKOO-KIのプロデューサー、嶋村雅己氏と山田修明氏です。KOO-KIは1997年に九州芸術工科大学(現:九州大学芸術工学部)の卒業生である江口カン氏や竹清仁氏らが設立しました。CM映像など主に広告の分野で高く評価されてきている会社で、『サガミゴム LOVE DISTANCE』がカンヌ国際広告祭フィルム部門で金賞に輝いたのも記憶に新しいところです。一方で今年、竹清氏が監督して制作された長編アニメ『放課後ミッドナイターズ』が劇場公開されて話題となりました。こちらは竹清氏が制作していた短編アニメの『放課後MIDNIGHT』を長編化したもので、これを機に本格的に映画に取り組むため竹清氏はKOO-KIから独立してモンブランピクチャーズを立ち上げました。KOO-KIの案件の中にはゲーム会社からの物もあります。セガ、コナミ、任天堂などのCMやオープニング映像で目にしている機会も多いでしょう。プロデューサーの嶋村氏と山田氏がまずプレゼンテーションしたのは、江口氏の監督で今年話題となった『おしい!広島県』です。広島県には厳島神社やお好み焼きといった定番のイメージがあるものの、なかなか興味をもって貰えない、足を運んで貰えないなどの悩みがあるそうです。これは広島県が観光を産業に持ちたいといったところから始まった企画で、今春、新たな広島ブランドの構築に向けて始動しました。予算の都合上、地上波TVCMを多用できないので広島県公式サイトに思わせぶりなサイトを構築してみると、情報を制限したメッセージで関心を集めることに成功しました。それから池袋で記者会見し、その映像を一部公開すると「おしい!」と言ってしまうことで驚かれました。その後のフルバージョンでは、対岸でうどん県をPR展開する香川県で、要潤さんが扮する県知事も登場するなどの仕掛けなどが満載で、Yahoo!映像トピックスで1位にもなり話題となりました。広告代理店の試算では、広告費に換算すると3億円の効果があったとの結果が出ています。ただお金はかけられないとはいえ、ここだけはお金をかけたいと試した中に山手線のトレインチャンネルがありました。電車の中というのもあり音が出ない仕様になってますが、検索してみた人が居たことで一定の効果があったとしています。春に次いで夏もチャレンジしていきます。ポスターは行政がやっていないグラビアをということで、県出身の杉原杏璃さんが担当しました。杉原氏は委員会の秘書役でムービーにも出演していますが、実際に官公庁長官を訪問するなどで活躍しています。また、ムービーに登場しているみよし食堂は、実際におしい定食をメニューに加えました。このほか銀座にある広島ブランドショップ「TAU」でのイベント開催や、和民のタコぶつとのコラボなどが実施されました。秋は一番の観光シーズンということもあり、県に全力歓迎課を発足させました。設定上とはいえ現役の県庁職員によるダンスムービーが公開されて、かなりの本気度が感じられます。週末に県内各地へ出かけていってダンスを披露、時には清掃活動に勤しんでいます。本当は県庁ホスト課にしたかったということで、ボツになった幻のムービー「お兄!広島県」も紹介されました。この全力歓迎課の波及効果としては、景勝地の1つとして知られる三段峡のNTTドコモや安芸太田町のパロディポスター、切手シートやカラオケなどに現れました。こうした努力の賜物として、このほど発表されたグーグル検索ランキング2012では、「おしい!広島県」が広島カテゴリの検索でトップになるという偉業を達成しました。続いてKOO-KIのオリジナルワークスの紹介です。KOO-KIではオリジナル作品にも力を入れるようになっています。その1つが2年前から展開している『Mr.Shape』です。『Mr.Shape』は、所属している白川東一氏が制作した短編の知育アニメーションシリーズをもとに、iOSアプリのタッチカード開発なども行われています。アニメーションはアプリを介して再生数を増やす仕組みにしており、アニメーションを見ることで、またアプリで遊んでもらえるといった相乗効果もあるそうです。このほかコンテンツ展開では、一般の視聴者やユーザーにどのように目を向けて貰えるかを意識ているそうです。雑誌に取り上げてもらえないといけないのかといった試行錯誤など、単なるものづくりだけでなく作品を展開するにあたり、社会的な背景といった前後にあるものがたりをみた上で判断します。今後もどうやったらコンテンツに興味をもってもらえるか、既成概念にとらわれない切り口で臨んでいくということです。ハッと気付かされる内容を持つ『Mr.Shape』の作品世界さながらのコンテンツ展開が今後も期待されます。
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