こうした前提条件の中、『Plants vs. Zombies』の成功の要因として、マーチャンダイジングでの浸透はよく知られています。あるECサイトでは関連商品が5万件以上出品されていて、その種類も玩具、フィギュア、ボードゲーム、生活用品、絵本まで多岐に渡ります。今では上海のあらゆる店にグッズがあるような状況になっているそうです。このビジネスは中国から逆輸入され、世界的に『Plants vs. Zombies』のビジネスの中核へと育っています。
しかしマーチャンダイジングが上手くいったからといって簡単にゲームも成功するというわけではありません。『Plants vs. Zombies』のは現在では中国で有料ランキングの常連となっていますが、これまでには長い年月があり、そして地道な改善の連続だったそうです。Gwertzman氏が示したグラフによれば、昨年5月と今年3月を比較すると売上は10倍以上に伸びています。この間、何があったのでしょうか?
1つはコンテンツの追加です。8月にエンドレスモード、10月には更なるエンドレスモード、1月には中国をテーマにした「Jorney to the West」というモードを追加しています。遊べるモードを追加していくことで、アイテム販売が増加。アイテムを購入するための「ダイヤモンド」の販売は全体の売上の81%を占めるまでになったそうです。アイテムはゲームを有利に進めるものや、ゲームオーバーから復活するためのものが中心です。
細かい施策の積み上げで収益を向上させてきた中国における『Plants vs. Zombies』。中国だからといって特別な事は無く、すべきことを実行していくことが成功に繋がるというのは開発者に勇気を与えるものでしょう。Gwertzman氏は今後のテーマとして、引き続き改善を重ねていくこと、本社に教訓を持ち帰り世界的な展開に繋げていくことを挙げていました。
《土本学》