マイクロソフトはE3に先立ち6月10日(現地時間)にプレスカンファレンスを行い、新型ゲーム機「Xbox ONE」の本体価格を発表。あわせて Xbox ONEの新作タイトルラインアップを発表しました。既報の通り、Xbox ONEは本年11月に米国で499ドル、欧州で499ユーロ、英国で429ポンドで発売されます。国内での発売と価格は未定です。
実際、最も重要だった情報は発売日と価格だったはずです。しかし、プレスカンファレンスの構成はたくみでした。『Halo Xbox One』のトレイラーが発表され、会場の興奮がさめやらぬ中で、価格を口頭でのみ発表。会場が「あれっ?」と思うまもなく、トリを務めるアクションシューター『タイタンフォール』が公開され、会場は再び興奮のるつぼに。価格のイメージは人々の脳裏から消え去ったかのようでした。非常に周到に準備された内容だったと思われます。
Xbox ONEとPS4の価格差で、鍵を握る要素がキネクト2です。Xbox ONEではキネクト2が同梱されますが、PS4ではカメラセンサーのPlayStation Cameraは別売り。そのぶんだけXbox ONEの原価が上がっているとみるのが自然でしょう。今後マイクロソフトはキネクト2の扱いに苦慮する可能性も否定できません。キネクト2が別売りの廉価版なども選択肢として考えられるでしょう。
筆者の勝手な考えでは、キネクト2はぜひ本体同梱にしてほしいところ。キネクト2はWii UのWii U Game Padなどと同じく、Xbox ONE最大の差別化要因だからです。さらにWindows 8やSurface、Windows Phoneなど、最近いまいちパッとしない(ように感じる)マイクロソフト陣営で、数少ない場外ホームラン級の製品でもあります。
冒頭で紹介された『METAL GEAR SOLID V PHANTOM PAIN』では、シリーズ初のオープンワールドへと進化。ローマ帝国をモチーフとしたアクションゲーム『Ryse Son of Rome』や、サプライズで登場した『Dead Rising 3』も、オープンワールドと大量の敵キャラクターという方向性を明確に打ち出していました。
『Forza Motorsport 5』ではクラウドサーバにプレイヤーのドライビングのくせが記録され、自動的にレースが継続されるという要素を紹介。キャラクターAIとクラウドサーバの活用事例となっていました。次世代機の膨大なメモリと高速の処理性能を示すのに、これらはわかりやすいアプローチです。『Ryse Son of Rome』『Dead Rising 3』などのスマートグラス対応も、遊びの幅を広げそうです。アメリカで有名な配信サイトTwitchとの連携も、ソーシャルネットワークとの連動で欠かせないポイントでしょう。
このほかAAAタイトルだけでなく、インディゲームにも焦点が当てられました。史上最も成功したインディゲームといえる『マインクラフト』もXbox One Eitionが登場。同じく見下ろし型アクションの『below』も作家性を醸し出す幻想的な雰囲気がインディらしさを打ち出していました。AAAタイトルとカジュアルタイトルに業界が二極化している中、インディゲームに対する施策はプラットフォーム浮沈の鍵をも握りそうです。
また地味なポイントながら、戦車ゲーム『World of Tanks』のXbox 360版が、Xbox Liveで今夏配信が決定した点にも注目したいところです。ゴールドメンバー向けで基本無料で配信されます。本作はロシアのディベロッパーが開発した、PCゲームとして高い人気を誇るカジュアルゲーム。Xbox Liveでは「落としきり」モデルが中心で、F2Pゲームは数が少ないのですが、Xbox 360からXbox ONEへの移行に伴い、今後はタイトル拡充が期待できるかもしれません。