8月10日から12日に東京国際展示場で開催されたコミックマーケット84には、過去最高の約59万人の参加者が集いました。中でも最終日の12日の東ホールの「同人ソフト」コーナーでは、多くのインディペンデントなゲームクリエイターが参加しました。「同人ソフト」とは、オリジナルや二次創作のビデオゲームなどのソフトウェアを頒布するコミックマーケットのジャンル区分です。ビデオゲームだけではなく、チップチューン用の組み込み基盤、ベンチマークソフト、プログラミングの技術書など、コンピュータソフトウェアに関する様々な作品が頒布されています。800以上のサークルが参加しましたが、今回はオリジナルのビデオゲームを公開しているサークルブースを中心にレポートをお届けします。プロからアマまで多くのゲームクリエイターが参加していますが、日本のインディーゲームのスターがこの場所から誕生する可能性もあります。会場でもっとも賑わいを集めたのは、東方Projectで有名な上海アリス幻樂団。2年ぶりとなる弾幕シューティングの新作『東方輝針城 〜 Double Dealing Character.』の公開ということでファンからの期待も高く、筆者が会場入りしたころには既に撤収を行なっていました。その他、人気が高いオリジナルのシューティング系サークルでは、体験版でも売り切れが続出。えーでるわいすの『アスタブリード』、クロスイーグレットの『REVOLVER360 RE:ACTOR』、RebRankの『C.C.S.B.』など、今後リリースがひかえている期待作が数多くあります。また最近では3Dグラフィックスのアクションゲームを制作するサークルが増えています。今回、公開された完成版としては、ZENITH BLUEの『巫剣神威控』、飛翔システムの『マジカルバトルフェスタ』などがあり、モデリングやモーションにおいて高いクオリティを発揮しているサークルも存在します。リアルタイムのマインスイーパー型の対戦ゲームである多次元クロックの『マナコレ -ManaCollect-』、星空育成シミュレーションゲームのCAVYHOUSEの『真夜中は星づくよ』といったインディーゲームらしい独創性の高い作品も多数ありました。さらにビジュアルノベルも同人ソフトでは、人気のあるゲームジャンルです。ノベル系サークルは、ポスターからポップに至るまで非常に凝ったプロモーションを行なっていました。激しい暑さの中で行われた今年のコミックマーケット84ですが、新たな発見や出会いがあり、足を運ぶかいはありました。インディーゲームへの注目が高まっている現在、コミックマーケットで発表されたゲームから世界的な大ヒットが生まれる可能性も否定できません。
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