ICO Partnersの調査報告によると、2014年1月1日から6月30日までの資金調達は13,511,740ドルで、昨年通期の57,934,417ドルの半分以下とのこと。資金調達を受けたプロジェクト数は、昨年の446プロジェクトに対し、2014年上半期は175プロジェクトとなっています。上半期のデータを倍化した場合、プロジェクト数は昨年比78%、調達額に至っては46%ほどになります。
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50万ドル以上の資金を獲得したプロジェクトでは、稲船氏の『Mighty No.9』やリチャード・ギャリオットの『Shroud of the Avatar 』、現在クローズβ中の『Elite: Dangerous』など昨年の21タイトルに対し、今年は『Kingdom Come: Deliverance』と『Unsung Story: Tale of the Guardians(アンサング・ストーリー:名もなき戦士たちの物語)』、『Amplitude HD』の3タイトルにとどまっています。
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この結果についてICOのアナリストThomas Bidaux氏は3つの要因があると分析。1つ目の要因は「強いブランド力をもった大ヒットプロジェクトの減少」で、大ヒットプロジェクトの牽引力を失ったことにより、Kickstarter自体が注目を浴びず、その他の小規模プロジェクトの調達額にも影響が出ているのではないかと述べています。
2つ目の要因は「Kickstarterの新鮮さの喪失」で、クラウドファウンディングであるKickstarterの登場当初、その発想の珍しさから多くの注目を浴びていたと説明。しかし、2012年、2013年と注目を浴びた時は終え、2014年では新鮮さを喪失してしまっていることを指摘しています。
最後の要因は「競争相手の台頭」です。Steamのインディーゲーム界隈で一般的になった早期アクセスの存在が、Kickstarterとの大きな競合を生んでいると分析。既にプレイ可能なデモ版を開発しているデベロッパーにとって、Kickstarterよりも有効な資金調達手段となっていると説明しています。
2012年、2013年と躍進を遂げたKickstarter。2014年のプロジェクト数や調達額こそ減少していますが、多くのプロジェクトが開発中であり、クラウドファウンディングの可能性が潰えたわけではありません。ビッグプロジェクトの開発が終了した時に、初めてクラウドファウンディングの成功と有用性、そして大きな可能性を証明できるのではないでしょうか。