
Discordは、イギリスとオーストラリアの一部のユーザーに対し、年齢確認のための「顔認証」を開始しました。海外メディアVGCが報じています。
イギリス・オーストラリアで新たな年齢確認のテストが実施―オンライン上の未成年保護を目的
Discordによる、イギリスとオーストラリアユーザーに対して行われている年齢確認を目的とした“顔認証”は、両国政府による未成年者のオンライン上でのアクセスを規制しようとする動きや法整備を受けてのもの。
システム上でセンシティブと判断されたコンテンツにアクセスしようとした際や、特定のコンテンツへのアクセスを許可する設定を変更しようとすると、ユーザーに年齢確認を求められることがあります。そういった年齢確認の際に一度だけ、「カメラによる顔認証」もしくは「身分証などIDの入力」が求められます。

年齢の確認が完了すると認証に使われたデータは削除され、確認済みの年齢グループとしての通知がDMに届くようです。


また、認証が失敗した場合には再確認の手続きを手動で行えるとしているほか、ユーザーの年齢がその地域での利用が許可される年齢に達していない場合は、アカウントをBANするといった仕組みも用意されています。
オーストラリアでは「16歳未満のSNS利用禁止法」が年内に施行予定
イギリスとオーストラリアではオンラインにおける未成年保護を目的とした規制の動きが強まっており、ソーシャルメディアは未成年の情緒や行動、発達に悪影響を与えるとされています。特にオーストラリアでは「16歳未満にSNS利用を禁止する」法案が可決され、2025年内に施工される見通しです。
この法案は各国と比較しても最も対象年齢が高いものの、NHKによるとオーストラリアの世論調査では国民のおよそ77%がこの法案を支持。しかし、どのプラットフォームやアプリが対象になるのかなど“線引き”や、年齢確認の方法については議論の的となっていました。VPNの使用や、虚偽の情報を入力することで制限を回避できてしまうという指摘もあります。
また本法律が施行された場合には、オーストラリアではセンシティブ設定などに関わらず、全てのDiscordユーザーに年齢確認が必要となる可能性があることをVGCは指摘しています。
さらに、ロシアやトルコではDiscordそのものが規制されるといった事例もみられました。
こういったSNSに対する規制はイギリス・オーストラリア以外にも各国で議論が進められています。今後、他国でも同様の規制が導入されることになれば、今回のように年齢確認の手段が厳格化されるようになるのかもしれません。