東京大学大学院情報理工学系研究科とユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは、6月27日、VR技術を使用した共同研究「無限回廊」の体験会を東京大学本郷キャンパスで行いました。「無限回廊」は、空間知覚をハックすることで、現実の限られたスペースだけでVR空間を無限に歩き回れるようにするもの。体験会が行われた部屋には15個のセンサーを配置した直径約4mほどの円柱形の立体パネルが組まれており、ヘッドマウントディスプレイ型のVR機器を装着し、パネルに手を当てながら歩くことで、真っすぐに歩いていると錯覚させることができます。この研究は「視触覚リダイレクション」と呼ばれ、視覚だけでなく触覚を加えることで、空間知覚をより強く操作できるとされています。今回の研究の責任者である鳴海拓志氏によると、元々の研究は茶筒状の円柱の物体を使ったもので、ディスプレイにへこんだ円柱を表示することで視覚と触覚を操作し、まるでへこんだ物体を触っているかのような錯覚を作り出せるというものでした。今回の「無限回廊」は同じ「視触覚リダイレクション」を利用し、さらに規模を大きくしたものとなっています。「無限回廊」のVR機器はOculus Riftに追加センサーを加えたもので、GTX 980Mを搭載したノートPCをリュックで背負うことで歩き回れるようにしています。Unityで制作されたVR空間には吹きさらしの高層ビルの上階が再現されており、直線や丁字路で梯子状になった通路を歩くことができます。実際に体験してみましたが、パネルに左手を当てながら進んでいくと、実際は円柱を周っているのに真っすぐ歩いているかのような感覚になりました。平行感覚がおかしくなるような微妙な違和感は感じたのですが、不安定な高層ビルの足場であることを考えると逆にリアルな感覚なのかもしれません。今後は、ウェアラブル・ハンドヘルドデバイスを用いた屋外での試験や、壁を手すりに置き換えたもの、手に何らかのデバイスを持つことで同様の効果を得られるようにする研究に取り組むとのことです。また、鳴海氏は「無限回廊」の原理を用いたVR版『ドルアーガの塔』の可能性についても述べており、今後の展開が注目されます。
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