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米ニューヨークで開催された「PlayStation Meeting」会場にて、PlayStation 4 Pro対応ゲームの開発者へのインタビューが日本のゲームメディア5社合同で行われました。
3回に渡り6人の開発者にインタビューを実施。今回は『inFAMOUS Second Son』『inFAMOUS First Light』でアソシエート・クリエイターとクリエイティブ・ディレクターを務めたSucker PunchのJason Call氏と、『Days Gone』でリード・グラフィックスプログラマーを務めるソニーピクチャーズ・スタジオのGraham Alldredge氏へのインタビューをお届けします。
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Jason Call氏(以下Call):「PS Meeting」会場では、2年前に発売された『inFAMOUS First Light』の解像度とディテールを強化し、HDRを追加したPS4 Pro版のデモ展示を行いました。今回の展示は4KとHDRに対応したテレビとPS4 Proを用いています。また、デモはオリジナルの設定にも切り替えることができるようになっています。
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Graham Alldredge氏(以下Alldredge):今回展示した『Days Gone』は、4KとHDRのデモンストレーションで、素晴らしいビジュアルになっています。私たちがこれまでやってきた経験を話すことができるこの機会を嬉しく思います。
――PS4 Proは演算性能が1.84TFから4.2TFにパワーアップしましたが、この数値には満足していますか。
Alldredge:処理能力だけがすべてではありません。新しいハードウェアのいくつもの機能がゲームにおいて4倍の画素数でイメージを生成することを可能にするのです。ご覧になった通り、テレビのアドバンテージを限りなくフルに活かした映像クオリティになっていたと思います。
――2.36TFの差だけでピクセルが4倍となる4K描画に耐えれるものなのでしょうか。
Alldredge:そうです。私が処理能力に関して話した通り、ハードウェア固有の特性が多くの副作用的効果を引き出すのです。AMD製Polaris世代のコアにアップデートしたことによる特性もありますが、少ないコストでネイティブ4K解像度に極めて近い高解像度のイメージを作成できるようにハードウェアの機能にもカスタマイズを施しています。
――通常のPS4とProでは、映像やフレームレートにどのような違いが表れるのでしょうか。
Alldredge:映像は1080pと4Kの違いがありますが、フレームレートには違いはありません。30fpsで開発されたタイトルはどちらも同じフレームレートになります。映像に関しては、通常のフルHDテレビであってもPS4 Pro上では4Kでレンダリングされ、極めてハイクオリティなままダウンスケールして4Kに限りなく近いイメージで映し出されます。実際の4Kより良くなることはありませんが、通常のPS4とは驚くほどはっきりとした違いが見て取れるはずです。
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――その場合、ピクセルは圧縮されてレンダーされるのでしょうか。
Alldredge:私たちが手掛けるPS4 Proバージョンには、追加のレンダー機能を用意する予定はありません。4000万人のユーザーを抱えるオリジナルPS4に私たちはフォーカスしていきたいからです。
――2つの解像度が切り替え可能になるということですか。
Alldredge:そうです。まだ開発中の段階ですが、4Kでレンダーされるゲームにおいて追加のビジュアルエフェクトかフレームレートの向上かを選択できたり、4K解像度もオプションでダウンスケール版に切り替え可能にしたいと考えています。ユーザーにオプションとして提供できるのが個人的にはベターであると思っています。
――4Kへの対応は時間や予算などのコストはどれだけかかったのでしょうか。
Call:『inFAMOUS Second Son』と『inFAMOUS First Light』はすでにリリースされているタイトルですが、非常に低いコストで済みましたし、作業的にも容易なものでした。
Alldredge:個人の見解になりますが、私たちの作品を4KとHDRで実行させるのは、作業的に大きなものではなかったですね。
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――PS4 Pro専用タイトルは作られるのでしょうか。
Alldredge:専用タイトルは当然やりません。非常に大多数のタイトルをPS4 Proでサポートするようになるでしょうが、通常のPS4をサポートしないということは考えていません。確実にサポートは続けていくつもりです。
――4Kレンダリングでは、高解像度のテクスチャは必要でしたか。また、両方のハードで2つの異なった解像度のテクスチャをサポートするのでしょうか。
Alldredge:テクスチャのストリーミングは追加のコストがかかってしまうために行ってはいませんが、両ハード用のアセットは全く同じものになっています。アセットで異なっているのは、4K用のユーザーインターフェースと1080p用のインターフェースしかありません。まだ確定している仕様ではありませんが、ゲームのアセットがハードによって異なることはないでしょう。
Call:ハードによって違うアセットを用意するのは大変なことなので、私たちはできるだけ避けたかったのです。
――今回展示されたタイトルでは、4K解像度向けのアセットが作られたのでしょうか。
Call:『inFAMOUS Second Son』と『inFAMOUS First Light』のアセットは、そのまま使うことができました。2年前のゲームではありますが、非常に高品質なテクスチャアセットを常に使用していました。それらは4Kで実行したデモでも非常にハイクオリティなまま動いてくれました。高解像度の中でも耐えうるものであったと思っていますので、2つのアセットは用意していないのです。私たちは、両ハードで素晴らしい見栄えになる1つのアセットを作りたいですね。
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――最後に、HDRゲーム開発において、最も重要なポイントをお聞かせください。
Call:『inFAMOUS Second Son』と『inFAMOUS First Light』で最も重要だったのは、物理ベースのライティングと、テレビのアドバンテージを活かしながらも非圧縮かつ情報を削らないフルHDRのパイプラインでした。ネオンの明かりや太陽光などのリアルなライティングをゲーム内では見ることができます。まぶしい太陽の光は、現実と近いコントラストになっています。
Alldredge:『Days Gone』でのライティングは、リアルタイムで変化していきます。建物の外にいるときと外にいるときでは太陽光や影の見え方も変わり、これまでよりも見やすくなります。1つの画面で片方は非常に明るく、片方は非常に暗かったら、中和してどんな場面かをわかりやすくしていきます。過度に明るい露出のような空に表示された文字であっても、HDRでは容易に明るさのバランスをとることができるのです。
――本日はありがとうございました。