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サービス終了後プレイ不能となったオンラインゲーム。そんなオンラインゲームを著作権法の例外とする動きが小規模ながら海外で起こっているようです。
海外メディアRock, Paper, Shotgunによれば、この運動を始めたのは米国に拠点を持つ、ビデオゲーム博物館を運営するMuseum Of Art & Digital Entertainmentなどの複数団体。これらの団体は先日、アメリカ合衆国著作権局に対し、サービス終了オンラインゲームを著作権法の例外とするよう働きかけたとのこと。
これに対し業界団体で構成されるESA(エンターテインメントソフトウェア協会)は、当然のことながら反発。アメリカ合衆国著作権局へと、ファンによるゲームの復活を認めることで、業界へとダメージを与えるという趣旨の、41ページに渡る報告書を提出しました。
サービス終了したオンラインゲームを巡っては、昨今様々な動きが国内外で起こっています。例えば日本では、主にモバイル系を中心に、タクティカルRPG『セブンズストーリー』のリメイク版配信や、『星宝転生ジュエルセイバー』ゲーム内素材が、商用利用可でフリー配布されるといった試みがあります。他にもサービス終了したタイトルの引き継ぎ例も多々見られています。
対して海外では、先日、対戦格闘ゲーム『Rising Thunder』のサーバープログラム配布が行われた他、Mojangの対戦カードゲーム『Scrolls』もサーバープログラム配信の予定が発表されました。過去にはHi-Rez Studiosが、名作FPS『Tribes2』中央サーバーの運営を有志のリメイクに任せる形で無料配信すると言った例も。
このようにメーカー側で過去IPを用いたリメイクの動きや、ゲームを保存する動きはあるものの、決して十分なものにはなりえないのも事実。また、いわゆるソーシャルタイプのオンラインゲームの場合、イベント運営などの手腕も含めてゲームとしての形を作っているケースも多くあります。
しかしながら、人気FPS『バトルフィールド2142』の非公式リバイブプロジェクトがエレクトロニック・アーツの要請によって終了した事例などもあり、ユーザーによるオンラインゲームの復活の需要がメーカー側の思惑とマッチしないケースもありました。
今後、どの様にサービス終了してしまったオンラインゲームの扱いが変わっていくのかは全く未知数ですが、20年、30年と経った後、過去のゲームを振り返ることが幸せな形のもとに行えることを願いたいところです。