このお馴染みのシリーズに OPTPiX SpriteStudio が採用されているのをご存知でしょうか。今回は、『なめこシリーズ』のアニメータのお二方に、SpriteStudioとの出会い、そして現在の関係についてお話を伺います。
――『なめこシリーズ』では、ずいぶん長く SpriteStudio を使っていただいてる印象がありますが。そもそも、最初に SpriteStudio を採用したのは、いつ頃なんでしょうか。
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河合氏 『おさわり探偵 小沢里奈』の携帯ゲーム機版から、iOS版への移植、さらに『なめこ』のスピンアウト作品を作ったころですね。携帯ゲーム機版は元々、その携帯ゲーム機用の専用ツールで作られていたんですが、iOSには当然対応していなくって。じゃあアニメーションどう作ろうかなぁ、ってなった時に、SpriteStudioに目がとまったというのが最初です。
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大廣氏『小沢里奈』の時は、まだ連番アニメーションでしたっけ?
河合氏連番でしたね。最初に SpriteStudio を検討してみようと思ったキッカケは、『補間アニメーションだけでなく、連番アニメーションも出来る』と聞いてたからで。元の携帯ゲーム機版が連番、つまりコマアニメーションだったので、携帯ゲーム機の専用ツールからの移行が楽だった。 そういえば、各コマの、スプライトごとに16色に減色してたと思います。OPTPiX imesta (*)を使って(笑)
(*)筆者注:OPTPiX imesta = ウェブテクノロジの画像最適化ツール。最新版の ImageStudio8 は、8月末にリリース予定
SpriteStudio…Ver.3!?
――連番になっているコマアニメーションを、SpriteStudioに流し込んでタイムラインアニメーションにしたということでしょうか
河合氏そうですね、流石に栽培キットシリーズでは補間アニメーションに移行しましたが。シリーズ最初の頃はまだ、SpriteStudioも…Ver.3? ちょうど開発中に、Ver.4のアナウンスがあって、最初の『なめこの巣』を作るときに、Ver.4に移りました。
――SpriteStudio Ver.3!
※筆者注:SpriteStudio 3。2009年4月に販売開始。2009年といえば10年前です…
河合氏現在リリースしているスマートフォン用の『なめこ』は、DX以降はSpriteStudioを使っているんですが、複数のバージョンを使ってます。一つ前のタイトル『なめよん ~なめこの脱出ゲーム~』では、SpriteStudio Ver.5で…
大廣氏先日リリースした新作『まとめてモーケ!なめこ店』で使っているSpriteStudioは、Ver.5.8.3(*)です。
(*)筆者注:Ver.5.8.3 = SpriteStudio Ver.5 シリーズ最終版
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Cocos2d-xからUnityも併用へ
――使用しているバージョンが複数に分かれている、その背景についてお聞かせください。
河合氏『なめこ栽培キット ザ・ワールド』は、『なめこの巣』と同じゲームエンジン、Cocos2d-xを使っていまして、どちらのアプリもSpriteStudioのデータの再生には、自社の内製ライブラリを使用しています。求められるアプリのスペックや、担当エンジニアの作業効率を考えて、次に使うゲームエンジンはUnityにしてみようと、そんな理由です。
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大廣氏『まとめてモーケ!なめこ店』では、ゲームエンジンをUnityに変更する流れで、なめこのアニメーションと、演出全般のアニメーションをSpriteStudio Ver.5.8.3を使って新規で製作しています。『なめこ店』は、多額の借金を背負ったなめこが自転車操業でお店をやりくりし、転職を繰り返すお話です。この辺り、内容がややブラック気味なのですが…、ゲーム自体は簡単で爽快なパズルで、なめこシリーズ伝統の「図鑑テキスト」も楽しめるアプリです。SpriteStudioで作られたなめこ達の動きがかわいいので、是非遊んでみてください。
河合氏『なめよん』も『なめこの巣』も、今でもたくさんのユーザーに遊んでもらっていますので、当分はこの2つのゲームエンジンを併用していくことになります。
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――ということは一見似通っている「なめこ」のアニメーションも…
大廣氏毎回作り直しているという(笑) おおもとのイラストが同じなことがある、くらいでしょうか。
アニメーションのコントロールは json で
――長年、SpriteStudioをお使いとのことですので、特徴的な使い方というか、『なめこ』ならではの使い方というのは?
河合氏特徴的というほどでもないんですが、『なめよん』ではアトリビュートの「ユーザーデータ」を使った仕組み作りにチャレンジしています。
大廣氏『なめよん』は、「SpriteStudioのアニメーションと、ユーザーデータのスクリプトを使って、かんたんなアドベンチャーゲームを作るようなことができないか?」というのがスタート地点でした。アニメーションの特定のキーフレームに .jsonで記述したコマンドやフラグを埋め込んで、それをプログラム側で検知して処理する仕組みですね。
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――SpriteStudio Ver.6から、ボーンとメッシュ、デフォームが追加されました。『なめこ』シリーズでの採用予定は?
河合氏Cocos2d-xと内製ライブラリの都合があるので、今すぐにSpriteStudio Ver.6へ…というのは難しいかもしれません。ただ、これまでも SpriteStudio のアップデートの度に、検証自体はしてきたので、ゆくゆくは…
大廣氏今回の『まとめてモーケ!なめこ店』では、Unityに移行しているので、ひょっとしたら将来、Ver.6のボーンやメッシュも使うかもしれませんね。メッシュは『なめこ』との相性も良さそうですし!
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――本日はありがとうございました。
なめこぱらだいす なめこ公式サイト
大変中毒性の高い『まとめてモーケ!なめこ店』の情報の他、なめこの最新情報が集まる公式サイトがこちら!
https://namepara.com/
■OPTPiX SpriteStudio : https://www.webtech.co.jp/spritestudio/
■株式会社ウェブテクノロジ : https://www.webtech.co.jp/
●OPTPiX SpriteStudioアニメーションコンテスト 特設ページ
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