
世界的な半導体不足によって、多くのPCゲーマーたちが希望小売価格に近い安価なGPUを探し求めて、ネットの海だけでなく実店舗を彷徨っている昨今ですが、そんな日々も終わりが近づいているかもしれません。中国当局が四川省での暗号通貨のマイニングを禁止し、同国でGPUの価格が急落をはじめたからです。
現在の世界的な半導体不足は、半導体の需要が高まっているにもかかわらず、新型コロナのパンデミックに伴う生産の遅れなどにより、供給が追いつかない状況が続いたことに起因しているとされます。その中でも、手軽に始められる暗号通貨のマイニングで高性能なGPUが使われはじめた影響は大きく、世界中でGPUの価格高騰を引き起こしている可能性が指摘されています。
中国・四川省の農村部では再生可能エネルギーによって電気代が安価であるため、暗号通貨のマイニングが盛んに行われていました。また、当局は暗号通貨への警戒感を強めており、四川省は中国のマイナー(採掘者)たちの避難所の一つとなっていたといいます。
最近も内モンゴル自治区や新疆ウイグル自治区でマイニングが禁止されたばかりでしたが、四川省でもマイニングが禁止になり、中国のGPU価格は最大で45%も下落。香港紙の報道をもとにTom's Hardwareが中国の価格調査ツールを用いて調査したところ、中国国内で5月に1,531ドルで販売されていたRTX 3060は、現在800ドル台まで落ち込んでいることがわかっています。ハイエンドカードは大きな値下がりを見せていませんが、ミッドレンジやエントリークラスのGPUが顕著に下がっているようです。
中国でのGPU需要が大きく減少したことで世界中で起こっている価格高騰が止まるかはまだわかりませんが、転換点になる可能性は低くはなさそうです。