気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Reckoner Industries開発、PC/Mac向けに9月23日にリリースされたシンセサイザー風ロジックパズル『The Signal State』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、シンセサイザーにインスパイアされたロジックパズル。ポストアポカリプスを舞台に、壊れた機械を修理し、捨てられた農場を再建します。メインとなるパズル部分では、ケーブルをドラッグ&ドロップすることで様々な機械を繋ぎながら、入力(input)から流れてくるシグナルを、指定された値になるように出力(output)します。記事執筆時点では日本語未対応。
『The Signal State』は、2,050円で配信中。
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――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?
Benedict Lee氏(以下Benedict)Reckoner Industriesの共同設立者であり、本作のリード・デベロッパーを勤めたBenedict Leeです。私たちはシンガポールを拠点とする小さなゲーム開発スタジオで、わずか2人で活動しています。会社としては、本作が私たちのデビュー作となります。一番好きなゲームを選ぶのは難しいですが、最近のもので特に気に入っているのは『Disco Elysium』ですね。
――本作の開発はなぜ始まったのですか?
Benedict私は『SHENZHEN I/O』のようなZachtronics作品の大ファンでして、以前から似たようなゲームを作りたいと思っていました。私はセミプロのミュージシャンでもありますので、シンセサイザーをよく使用します。ある時、シンセサイザーの要素が『SHENZHEN I/O』のようなゲームにおけるプログラミングのアイデアに似ていることに気が付きました。そして、これらを組み合わせてみたら面白いのではないかと思ったのです。
――本作の特徴を教えてください。
Benedict『SHENZHEN I/O』のようなフリーフォームパズルの多くはプログラミング要素が強く、時には本物のコードを書かなくてはいけません。本作は、それらのゲームよりもビジュアル重視とし、曖昧さも少ないですので、より幅広い人に遊んでいただけると思います。複雑なプログラミングに怯えることもなく、より複雑なロジックを理解する手助けにもなるかと思います。
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――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?
Benedictハードコアなパズルゲームが好きな方と、エレクトロニックミュージックやシンセサイザーに興味がある人に楽しんでいただけると思います。本作はより幅広い人にも遊んでいただきたいと思っていますので、今までこのようなパズルゲームに興味はあったものの、見た目が難しそうで遊んでこなかったような人にも、本作を遊んでみてもらいたいですね。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Benedictはい、『SHENZHEN I/O』や『TIS-100』と言ったZachtronics作品から大きな影響を受けています。また、私たちは本物のシンセサイザーと「VCV Rack」「(プロペラヘッド・ソフトウェア開発の)Reason」と言った音楽ソフトからも影響を受けています。
――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?
Benedict日本語は追加を検討している言語です。すでに多くの日本人プレイヤーからリクエストをいただいており、中には英語のまま本作を遊んでいただいている方もいらっしゃいます。本作はテキストの比重が大きく、ゲームも複雑ですので、残念ながら有志翻訳は受け付けておりません。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?
Benedictどのみち開発のほとんどは自宅から行っていましたので、新型コロナの影響はさほどありませんでした。開発の初期段階で、法的な契約についての打ち合わせなど、直接会ってすることができず、少しだけ開発に遅れが出たぐらいです。
――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?
Benedictはい、ぜひやってください!
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Benedict本作を購入、またはウィッシュリストに入れてくださったすべての日本人プレイヤーの皆さんに感謝申し上げます!本作はテキストの比重が大きいので、しっかりとした翻訳が重要であることは理解しています。日本語対応はしっかりと検討させていただきます。
――ありがとうございました。
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本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。