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スクウェア・エニックスが社内で進めている「SAVA PROJECT」とは、スクウェア・エニックスが手掛けてきた数々のゲーム開発資料・グッズ・記録メディア内の映像及び音源などを、過去資産として利用可能な状態に目録化・バックアップするプロジェクトのことです。
昨年の「CEDEC 2021」でも講演が行われた本プロジェクトについて、今年は「資料を資産へ、スクウェア・エニックスにおけるゲーム開発資料発掘プロジェクト[実践!資料保存活動の現場編]」と題し、この1年の活動経過報告、そして実際の作業の様子とそこから得た知見を共有する場として活用されました。
登壇したのは、株式会社スクウェア・エニックスのAI部ジェネラルマネージャー「三宅陽一郎」氏、株式会社スクウェア・エニックス・ビジネスサポートのビジネスサポート「小林一弘」氏、同じく「松永圭一郎」氏と「阿部拓人」氏の計4名。
それではまず、「SAVA PROJECT」の概要を説明します。
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改めて「SAVA PROJECT」とは?
ゲームの開発会社に限らず、どのオフィスでも引っ越しをするたびに資料が紛失することがよくあります。「SAVA PROJECT」ではそういったことが起こらないよう、雑に扱われがちなゲーム開発資料を利用可能な資産として保存するプロジェクトです。
プロジェクトは資料の保存に限らず、講演などを通じて業界の内外に広くプロジェクトを知ってもらう取り組みも並行して行われています。
きっかけは「CEDEC 2021」に登壇し、はじめて社外へプレゼンテーションしたことでした。以来、多くのメディアに取り上げられるとともに、社内・社外からの問い合わせが増加。そのほか「SIGGRAPH ASIA」への招待講演・招待展示、立命館大学ゲームアーカイブ推進連絡協議会による招待講演など認知活動も幅広く行っています。
資料保存活動を通じてゲーム産業以外の分野にも波及効果をもたらしているのが本プロジェクトの特徴とも言えるでしょう。
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サルベージ作業の現場を紹介
それでは実際のサルベージおよび保存作業は誰がやっているのか?
実はサルベージ作業を専門におこなっている部署はなく、少人数が本職と兼任で進めているのが実情です。というのもコスト的な問題が第一にあるのと、扱う資料はすべて機密情報にあたるため社外短期雇用が難しく社員が兼任するしかないためです。
そこでスクウェア・エニックスでは、グループ会社のスクウェア・エニックス・ビジネスサポート社に作業の一部を委託し、協業として「SAVA PROJECT」を推進することにしました。
サルベージ作業は現在、ダンボールに雑多に詰め込まれた資料のインデックス化と、記録メディアのバックアップ(フィルムや磁気テープのデジタル化)をおもに進めています。
スクウェア・エニックス・ビジネスサポート社が担当しているのは、そのインデックス化の部分です。
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インデックス化の作業はダンボールの中身を目録化するのが目的です。
内容物はすべてデジタルカメラで撮影。データとして残すとともに、紙に印刷してダンボールを開けてすぐ中身が確認できるよう同梱します。
ファイルはタイトルが書かれた部分も一緒に撮影することも忘れません。
紙資料は複合機でスキャンしてpdf化。その際、文字検索できるよう複合機の機能を使ってOCR処理も行います。
すべての撮影およびスキャンが済んだところでExcelの管理表を作成。ソフトなのか、資料なのか、グッズなのか、すべてカテゴリで分類します。
それら作業をダンボール1箱単位で行い、アーカイブとして管理するのがインデックス作業です。
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実際に作業をした現場の声としては、
・慣れるまでが大変で、作業のやり直しが発生した。
・カメラ内の画像は、他の箱と混同することがないよう1箱済むごとに消去。
・ホッチキスの針を外す際などに資料破損のおそれがある。
……といった意見が寄せられたようです。
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