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任天堂は11月7日に行った「2024年3月期 第2四半期決算説明会」の中で、今年7月21日に発売した『ピクミン4』の累計セルスルーが250万本(10月末現在)を達成したと発表しました。販売から3ヶ月という僅かな期間ながら、シリーズとして過去最高の累計販売本数となっています。
「ピクミン」シリーズの誕生から20年以上がたった今、なぜこのような記録を打ち立てることができたのか。任天堂は説明会資料の中で、その取り組みについて明らかにしています。
◆発売から22年、『ピクミン』シリーズとは
『ピクミン』シリーズは、地球に似た星に不時着した主人公がピクミンと呼ばれる不思議な生物を率い、惑星からの脱出を目指す謎解きアクションです。2001年の初代『ピクミン』がゲームキューブで発売されて以降、『ピクミン2』『ピクミン3』と続いて発売されてきました。
2021年には『ポケモンGO』を手掛けるNianticより、歩くことをコンセプトとしたアプリ『Pikmin Bloom』もリリースされています。
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◆10年ぶりの新作発売にあわせて、電車内広告やポータルサイト、オリジナルグッズを展開
そんな「ピクミン」シリーズ10年ぶりのナンバリング作品となる『ピクミン4』が、2023年7月に発売。任天堂は本作の発売に向けて、数々の取り組みを行ったようです。
例えば、電車内のモニター広告でピクミンが登場するクイズ番組を放映したり、世界観を紹介したポータルサイト『ピクミンガーデン ~ピクミンのいる庭』を立ち上げたりするなど、シリーズの認知拡大に取り組んできたとしています。
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また本作の発売前に、初代『ピクミン』と『ピクミン2』のHDリマスター版を発売。これにより現在、本シリーズのナンバリング作は全てニンテンドースイッチで遊べるようになっています。
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加えて、「日常のふとしたところにピクミンがいる生活」というテーマでオリジナルグッズも企画したとのこと。小さなピクミンたちが集まって戦う、本作の世界観に沿ったグッズ展開を行ってきました。
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◆250万の初動売上。日本では、「あの歌」が世代を超えて影響
このようなシリーズの認知向上に向けた取り組みもあって、『ピクミン4』は250万本の累計販売本数を達成。各地域でも過去作を超える販売本数となっているようで、任天堂によるシリーズの盛り上げが成功したかたちとなっています。
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その中でも日本での売上は特に好調なようで、その理由について任天堂は2001年に発売した初代「ピクミン」のCMソングに親しんだ当時の子どもたちが、親世代となって当時を懐かしんで子どもと一緒にプレイしてくれていると分析。ピクミンのCMソングといえばストロベリー・フラワーの「愛のうた」であり、この曲は当時大ヒットとなりました。“ピクミンといえば”な曲として、2013年の『ピクミン3』発売時にもCMソングとして使用されています。
資料の中で任天堂は、本シリーズについて「お客様に育てていただいているキャラクターとなった」とし、世代を超えて愛されていることが今回の販売本数記録を更新した一因としてみているようです。
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