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2024年3月7日、サイバーエージェントによるエンジニア・クリエイター向け技術カンファレンス「CyberAgent Game Conference 2024」がオンラインで開催されました。そこで講演されたセッションのひとつ「全世界3.2億DL!ハイパーカジュアルゲーム開発の裏側」のレポートをお届けします。
全世界3.2億超のDLを誇るハイパーカジュアルゲームスタジオ
サイバーエージェントの子会社のひとつであるGOODROIDは全世界に向けて100本以上のソーシャルゲームやハイパーカジュアルゲームをリリースし、累計で3.2億以上のダウンロードを誇っています。
本セッションではクライアントエンジニアの金子優斗氏と加来健氏が登壇し、同社におけるハイパーカジュアルゲーム事業部のゲームアプリ開発フローが紹介されました。
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企画は“ペライチ”でおもしろさを伝えられるかが勝負
ハイパーカジュアルゲームの開発は「企画&テスト開発」、「獲得(CPI)テスト」、「本開発」、「改善運用」という4つのフローで構成されています。スピード感が何より大切で、本開発までを1カ月から2カ月ほどで仕上げるそうです。
ゲームの正否を分けるといっても過言ではない企画&テスト開発では、ゲームの企画を1ページにまとめてコンペする「ペライチコンペ」と、5分間のブレストでアイディアを発散させる「ブレスト5」を実施。どちらも全職種をまじえたメンバーでやることで、企画と量の充実を図ります。
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テスト開発は、数枚程度の仕様書を元に約1週間で仕上げるスピード勝負。複数のラインが同時に動くため、1カ月間に30本近くのゲームを世に出すこともあるそうです。
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その次は、実際に広告を出稿してCPI(獲得単価)を測ります。15秒程度の広告動画の中でゲームのおもしろさとルールを伝えなければなりませんが、広告を見た約50%のユーザーが冒頭の3秒以内で離脱してしまうとのこと。
少しでもユーザーに興味を持ってもらうため、広告動画では「冒頭で興味を引かせる」、「成功よりも失敗パターンの方がウケやすい」、「明確なゲームプレイを5秒以内に見せる」、「幅広く受け入れられるモチーフを選定する」という4つのポイントを意識します。
獲得テストでよい結果を出したゲームは本開発に移行し、遊びのおもしろさや中毒性を高めつつ、スキンやデザインなどグラフィカルな面も同時にブラッシュアップしていきます。このフローでもかけられる時間は2週間から一カ月間ほどで、徹底したスピード勝負が続きます。
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そうしてリリースを果たしたあとも、ユーザーのプレイデータを徹底的に分析。1週間に一度という速いペースでのアップデートを続け、常に改善を続けるとのことです。
自社開発基盤やAIツールで制作体制を徹底的に効率化
続いて、加来健氏からスピード開発の裏側が紹介されました。一番の要となっているのが、ハイパーカジュアルゲームを高速開発するための自社開発基盤「Omega」です。