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11月30日、東京・新橋にて、インディーゲーム開発者向けカンファレンス「Indie Developers Conference 2024」が開催。セッションでは、個人ゲーム開発者コタケ氏による「『8番出口』開発振り返り 短編ゲームを作るには」が実施されました。
2023年発売の『8番出口』は、無限に続く地下通路から脱出するゲーム。通路にある「異変」に気づいたら引き返す、「異変」に気づかなかったら前に進むというシンプルなゲーム性が特徴の、短時間でクリア可能なゲームとなっています。なお本作は「Unreal Engine 5」にて、構想6ヶ月、実作業3ヶ月の計9か月程度で開発された作品とのこと。
また登壇するKOTAKE CREATEのコタケ氏は個人ゲーム開発者。 2018年に京都のゲーム会社にて3Dアーティストとして4年ほど勤めたものの、個人でのゲーム開発の時間を増やすため会社を退職。2023年8月にヒット作となる『8番出口』のリリース、2024年5月に電車からの脱出ゲーム『8番のりば』のリリースののち、現在は巨大生物から逃げるゲーム『Strange Shadow』の開発に専念しています。
「生活費のために、“売れる作品”をなるべく短期間で作らねばならない制約下で」....『8番出口』の開発を振り返って
コタケ氏は本作を開発したきっかけとして「Steamでゲームをリリースしてみたかったこと」「長期間同じゲーム作品(『Strange Shadow』)を作り続けていたので別のゲームを作りたくなったこと」「生活費のため」という3点を挙げています。
「売れる作品」をなるべく短期間で作らなければならないという制約のもと、参考とした作品は、監視カメラを切り替え部屋の異常を報告する、ホラーテイストの間違い探しゲーム『I'm on Observation Duty』でした。比較的短期間で作れる間違い探しというジャンルでヒットした作品であり、本作品を参考にゲームを制作したとのこと。
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ただし、なるべく参考作との差別化を図ろうと考え、一人称視点の実装や、地下通路や地下鉄の導入、そして移動によって「異変」を指摘するゲームシステムが実装されました。
開発について。ゲームの仕組みが簡単なため、制作フローの全体をみると比較的手間はかからなかったものの、地下通路がループするギミックの処理や、突然地下通路に赤い水が流れてくる「異変」の作成、「地下通路のビジュアル構築」に特に苦労したとのこと。