Wiiが脳卒中のリハビリに役立つ、とする調査結果です。カナダのトロントにある聖ミカエル病院のGustavo Saposnik博士はWiiが脳卒中のリハビリに役立つのではないかと考え、20名の脳卒中患者を対象に調査を行いました。20名はランダムに二つのグループに分けられました。片方はカードゲームとジェンガ(ブロックを積み上げるテーブルゲーム)による伝統的な治療を行い、もう片方はWiiのテニスゲームと『クッキングママ』を使いました。2ヶ月後に腕の運動機能を測定したところ、Wiiで遊んだグループは伝統的な治療法を受けたグループよりも30%も高い成績を修めたとのことです。Saposnik博士は「伝統的なリハビリは手間がかかるし患者の同意を得にくい。また、費用や保険の問題からいつでも利用できない場合もあるが、Wii療法は広く利用でき、素早く効果が現れ、高度な集中力を保てる」と賞賛しています。博士によればこの研究は初期段階のものであるとのこと。実効を検証するためのより大規模な実験が既にスタートしているとされています。ボストン小児病院でスポーツによる脳震盪を研究するWilliam Meehan博士は「患者がバランス感覚を回復するのに有益であり、患者が自宅で行えることから通常の治療法より便利です」とWii療法を有望視しています。ゲームの楽しさがリハビリの辛さを緩和するという調査結果は既にいくつか発表されていますが、既存のゲーム機やソフトが治療に転用できるのであれば費用面でも優秀なものになりそうです。
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