三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、11月29日付けで、「ソーシャルゲームの正体を探る」と題するレポートを発行しました。30ページにもわたる大作です。同証券によれば、ソーシャルゲームについて、SNSサイトでのブラウザ型オンラインゲームであり、ダウンロード型オンラインゲームに比べるとモバイル中心であるため、隙間時間に1人でも遊べることや、ダウンロード不要のため、男女問わず幅広いユーザーを取り込んだ可能性があると指摘。そのうえで、国内のソーシャルゲームの市場規模は、2010年が1002億円、2011年には前年比54.1%増の1544億円に拡大すると予想しています。アクティブユーザーの減少によって、アクティブ率は低下するものの、ヘビーユーザーのリピートによって課金率は上昇するとともにARPUも上がると見ているようです。ただし、同証券では、現在進行しているサードパーティとしてのSAP間の競争が激化することによって、2011年以降、収益性の高いタイトルは限られている、とみているようです。ブランド力の高いゲームタイトルやキャラクターを持っている会社と、ソーシャルゲームの運営ノウハウを持つ会社との協業が、今後の市場拡大のテーマになるかもしれない、と指摘しています。さらに、これまで欧米市場では、PC版を中心にソーシャルゲーム市場が拡大してきたのに対し、日本ではモバイル版ソーシャルゲーム市場が拡大してきており、今後のポテンシャルは、日本ではPC版、欧米ではモバイル版がポテンシャルを持っているのではないか、とのこと。なお、日本のソーシャルゲーム事業者が海外市場で戦う場合、コミュニティ要素は必ずしも有利にはなるとは考えていない、としています。日本のソーシャルゲームは、「ゲーム内のバーチャルな友だち」にとどまらず、リアルで和えるかもしれないという魅力が課金を促している面もある、とのこと。そのほか、ソーシャルゲームのユーザーに関する同証券の仮説や、ソーシャルゲームを含むオンラインゲームでは、ダウンロード数ではなく、アクティブ率であるという指摘、プラットフォーム間の比較などかなりのボリュームです。読者を投資家と想定しているため、初歩的な事項から丁寧に書かれているものの、かなり読み応えのある内容になっています。
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