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スクウェア・エニックスとポケラボがタッグを組み、ヨコオタロウ氏が原作と監修を務めたRPG『SINoALICE -シノアリス-』。スマートフォン向けのゲームとしてリリースされた本作は2024年1月15日をもってサービスを終了しましたが、その「終わらせ方」は最後までユーザーを惹きつけるおもしろい施策であふれていました。
2024年8月21日(水)から23日(金)までパシフィコ横浜ノースで開催された「CEDEC2024」では、その3日目に「ユーザーの記憶に深く残るソーシャルゲームの終わらせ方 ~ユーザー自身がお墓に入る?!唯一無二のゲーム体験とそれを支える技術のはなし~」と題するセッションを実施。
ポケラボで『SINoALICE -シノアリス-』のクライアントエンジニアを務めた高田美里さんと、同じくポケラボでサーバーエンジニアを務めた悦田潤哉さんが登壇し、最終イベントの実施からエンディング後のアプリ『シノアリスだったナニカ』をリリースするまでの取り組みを講演してくれました。
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◆ただでは終わらせない!エンディング施策の中身とは
『SINoALICE -シノアリス-』はサービス立ち上げ当初からきちんとエンディングを迎えることを前提に開発が進められており、ユーザーの記憶に残る凝った仕掛けがさまざまな形で提供されました。
コンセプトは「ユーザー自身の手でシリアリスを終わらせる」。
そのためにストーリー最終章「ヨクボウ篇」全7章が配信されただけでなく、エンドロールの流れからそのまま閲覧専用の記念アプリ『シノアリスだったナニカ』へと移行する一連の流れが企画されました。
『シノアリスだったナニカ』とはエンドロールを最後まで観たユーザーだけが楽しめるオフラインアプリのこと。メインストーリーをすべて閲覧できるほか、ユーザーが任意で登録した内容などが確認できるという、「ユーザー自身のお墓」をイメージしたものでありトロフィーでした。
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ストーリー最終章「ヨクボウ篇」の配信にあたっては、まず全7章のうちの6章分を配信。間を置いて配信された第7章は最終ギルドレイドバトルとなっており、それをギルドメンバーとともにクリアすることでエンドロールが流れ、『シノアリスだったナニカ』の情報登録へと移行します。その後、ゲームアイコンがキャラクターの「アリス」からお墓へと変わり、『シノアリスだったナニカ』が利用できるようになるというものです。
この流れはソーシャルゲームでも異例の施策となり、各メディアにも座談会などの形で取り上げられました。
しかし画期的な施策の裏には、いくつかの課題とそれを乗り越えるための試行錯誤がありました。
まず最終ギルドレイドバトルはギルドメンバーが同じ時間に揃わないとスタートしないうえ、そこに至るまでにギルドメンバーが全員、ヨクボウ篇の第6章までをクリアしておく必要があります。長い間ともに戦ったギルドメンバーと挑むファイナルバトルは熱いものがあった半面、プレイヤーには一定のハードルも存在していたわけです。
そこで用意されたのがユーザー救済施策の「ヨクボウ篇SKIP機能」でした。
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「ヨクボウ篇SKIP機能」とはメインストーリーをスキップする機能のこと。端末をシェイクするとスキップ用のアイコンがメニュー画面に表示され、それを押すことで「ヨクボウ篇」の第1章までメインストーリーを飛ばすことができます。
新規ユーザー、または途中までメインストーリーを進めたユーザーを対象にしたものであり、プランナーの「裏技みたいなおもしろい機能にしたい」という提案を受け、短期の開発期間でも実装可能であるという判断のもと、そのシェイクする方法が採用されました。
なおシェイク機能に対応していない端末も考慮し、オプションシーンで100分放置すればスキップ機能が現れるという、別の方法も同時に実装されています。
「ヨクボウ篇SKIP機能」の告知については、あくまでユーザーに気付いてほしかったため、当初は告知せずに口コミ効果をねらいました。そしてサービス終了の2週間前に暗号という形でXのポストを実施。それらエンディング施策は、ゲームプレイのみならず、プロモーションを含めての「お祭り」としてユーザーを惹きつけました。
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