JPモルガン証券は、12月20日付けで、ディー・エヌ・エー<2432>について、「海外展開における成長性の考察」と題するレポートを発行した。投資判断は「Underweight」、目標株価2200円の継続とした。DeNAは、Android搭載スマートフォンへのソーシャルゲームプラットフォームの提供に向けてサムスン電子と提携するほか、海外でのサービス展開に乗り出すなど、2011年初頭より、本格的な世界進出を目指しているものの、JPモルガン証券では、海外での成功は極めて難しいと予想しているという。その理由として、海外での競争環境をあげている。DeNA、Scoreloop、Papaya Mobileなど、サードパーティーの先駆企業は確固としたモバイルソーシャルゲームプラットフォームの開発を進めている。それに対し、Appleが自社ゲームプラットフォーム「Game Center」を確立し、実質的にサードパーティのプラットフォームプロバイダーに替わるサービスを展開しているほか、Googleも2011年中にAppleと同様のサービスを開始すると予想される、とのこと。DeNAにとっては、2011年度に予想されるスマートフォンの普及とゲームの人気が追い風になるだろうが、このような市場拡大の機会に乗じて利益を伸ばそうとするのは、DeNAだけではないと指摘している。AppleやGoogleのプラットフォーム、Facebookなどの大手SNSのモバイルサービスとの競争は熾烈を極めるとみているようだ。JPモルガン証券では、2011年度のngmocoや海外でのソーシャルゲーム事業の予想売上高は58億円とした。予想の前提は、2011年度のユーザー数が2500万人、登録ユーザーあたりの月間ARPUが20円。中期的に見て国内事業と比較して、海外事業の拡大は高い利益を生み出すとは考えづらいうえ、国内事業もピークを打ったと見ていることから、投資対象としての魅力は乏しいと判断した、としている。
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