日本ではさほど馴染みのない方が多いかもしれませんが、Facebook向けソーシャルゲーム界隈を賑わしたタイトルがあります。その名は『Candy Crush Saga』、王者Zyngaによる『FarmVille 2』を抜き去り1位の栄冠を獲得したのです。どれくらい賑わったかというと、GDC参加用のパスのストラップにはキャンディーの絵がプリントされ、会場の周囲ではキャラクターの着ぐるみが注目を集めていたほど。そんな本作を製作したKing.comから、Tommy Palm氏がGDCの壇上に上がりました。題して、"Candy Crush Saga Postmortem: Luck in the Right Places"。「運はしかるべき場所に宿る」です。Googleでの検索数が『スーパーマリオ』並になったとジャブを打ったPalm氏いわく、成功には方程式があったとのこと。成功=アクセス可能性×際限なさ×キャンプファイア指標(Accessibility*Never Ending*Campfire Index)です。つまり、いつでもどこでもプレイできて、終わりがなく、かつ各種ソーシャル (Campfireと表現) 要素を織り込むべしという主張です。さらに、「ステークホルダーはプレイヤーだけである」「初日から遊び心と実験でいっぱいだった」「妻を返して欲しい」と示唆と笑いに富んだ関係者の発言を引用し、『Candy Crush Saga』のルーツと魅力を強調しました。次の展開もにおわせたKing.com。このセッションのテーマを要約すると「運は重要だ。しかし、素晴らしいゲームを作るには方程式から運を消し去らなければならない」でした。この主張は、奇しくも本年度GDCへ登場したガンホー森下一喜社長の主張の裏返しです。表現こそ真逆に感じられなくもありませんが、向いている方向はほぼ同じといってもよいでしょう。結局のところ、なんらかのポリシーにきちんと則ったタイトルを製作し、面白さを追求することこそがヒットの秘訣なのかもしれません。
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