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去る7月某日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)×MARVEL×Insomniac Gamesのドリームチームで送る話題作PlayStation 4ソフト『Marvel's Spider-Man』のメディア向け体験会が行われました。このイベントではゲームの序盤をがっちり遊べ、しかもInsomniac Gamesのスタッフによるインタビューも行われました。今回はプレイインプレッションとインタビューをお届けします。
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理由はわかりませんが驚きの声をあげる人も。
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SIE Japan Studioローカライズプロデューサーの石立氏。
ウェブ・シューターのポーズですね
物語:スパイダーマンの“転機”を描くオリジナルストーリー!
映画化、アニメ化、果ては日本での特撮番組化までされた「スパイダーマン」。本作『Marvel's Spider-Man』のストーリーはそれらの映像作品とも、コミックとも違う、完全ゲームオリジナル作品となっています。なので「スパイダーマン」のキャラクターをあまり知らなくても問題ないように作られていますからご安心を。
本作では主人公のピーター・パーカーがスパイダーマンになって8年の年月が過ぎ、宿敵である“キングピン”ことウィルソン・フィスクを追い詰めるところからゲームが始まります。
キングピンを倒し街が平和になったことで、ピーターはスパイダーマンをやめ、科学者として生きるべきか悩み始めます。本作のピーターはデイリー・ビューグル(シリーズに登場する架空の新聞社)を退職しており、ピーターの母親代わりとして彼を育ててくれたメイおばさんはアジア系の慈善活動家、マーティン・リーのもとでシェルターの運営をしています。元カノのメリー・ジェーン(MJ)はデイリー・ビューグルの記者をしており、化学会社・オズコープの社長だったノーマン・オズボーンは市長再選に向けての選挙活動を行っています。
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本作でも重要なカギを握ることは間違いないでしょう。
しかし、キングピンの足取りを調べるうちに、ピーターは潜入取材中のMJとバッタリ遭遇。MJが発見したある資料を巡り、仮面のギャング“インナーデーモン”と、そのボス“ミスター・ネガティブ”も物語に絡んでくる…という先の読めないストーリーになっています。
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シリーズをよく知っているファンであれば“オズボーン市長”などのキーワードにはいろいろな想像を掻き立てたくなるはずです。ほかにも別作品でスパイダーマンの力に目覚めるマイルズ・モラレスといったキャラクターも登場するようです。
オープンワールド:広いニューヨークをウェブで自由に探索!
1991年のセガによる初ゲーム化から25年以上を数える「スパイダーマン」のゲーム化。その中でも大きな転機となったのはPlayStation 2版の『スパイダーマン』(2002年・Activision/カプコン)。映画「スパイダーマン」をベースにしたタイトルはシリーズ初のオープンワールドゲームとなり、ビルとビルの合間をウェブスイングで突き進むゲームスタイルはActivision産の「スパイダーマン」のゲーム化においてベースとなり、2014年の『アメイジング・スパイダーマン2』(日本ではスクウェア・エニックスより発売)まで継続しました。
さらに2014年に海外で発売された『Disney Infinity 2.0 Edition: Marvel Super Heroes』のアドオン『Ultimate Spider-Man Playset』もほぼ同様の移動システムを持つオープンワールドゲームでした。本作『Marvel's Spider-Man』においてもそれは踏襲されていますが、現世代機のPS4で開発されたゲームとしてそのクオリティは実写に近いものになっています。
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移動操作はR2ボタンのウェブスイングと×ボタンで狙った場所に移動できるウェブジャンプを駆使して街を自由に移動できます。また地上を走っているときはR2ボタンを押しっぱなしにすることで障害物をパルクールのようにジャンプして乗り越えることも可能です。また、ウェブスイング中などに特定の操作をするとスパイダーマンがエクストリームゲームよろしくトリックを繰り出し、微量ながらレベルアップに必要な経験値が獲得できます。
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ウェブスイングを極めて自由自在に飛び回ろう!
オープンワールドゲームならではの要素としてサイドミッションも多数用意されており、キングピンの会社が建設しているビルに巣食う残党を倒しに行ったり、ひき逃げやひったくりといった事件を解決したりとさまざま。これらのサイドミッションは各エリアにある電波塔を修理することで発生場所が正確にわかるようになります。
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バトルミッション以外には収集要素としてバックパック収集やランドマーク撮影といったものがあります。バックパックはピーターが過去に置いていった道具などが入っているもので、それを見つけることでゲーム中には語られないスパイダーマンの過去がひも解かれる……かもしれません。
ランドマーク撮影は、文字通りカメラモードでニューヨークの名所を撮影すること、ですが本作ではニューヨークの実在する名所、例えば自由の女神やタイムズスクエアなどに加えてマーベルならではのランドマーク、たとえばオズコープ本社やアベンジャーズタワーなどがあります。これらを撮影することでボーナスが獲得できます。
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これらのサイドミッションなどをクリアすることでトークンが獲得でき、後述するスーツやガジェットの作成・レベルアップができます。
バトル:場所を問わない即興バトルが展開!
『Marvel's Spider-Man』のバトルはいつどこでバトルが始まるかわからない、という性質のため、環境を駆使した即興バトルとなっています。
基本的な操作は□ボタンで近接攻撃、△ボタンで遠距離攻撃、×ボタンでジャンプ、〇ボタンで回避というものです。□ボタン長押しで繰り出せる始動攻撃からの空中コンボが対ザコ戦では重要となっており、空中コンボを繰り出すことで“フォーカスゲージ”の上昇率が伸びます。フォーカスゲージの使い方は主に2つに分かれ、一つは方向キー下押しで発動する体力回復、もう一つは△+〇同時押しの一撃必殺ムーブとなります。これは体力がいくらあってもザコ敵なら敵を一撃でノックダウンします。ただし、体格のいい敵にはゲージ1本では通用せず2本以上使う必要があります。
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また、R1ボタンを押すとウェブ・シューターを発射でき、相対している敵に当てることで敵の動きを拘束できます。キングピンなど、一部の敵に対しては拘束状態でなければ攻撃が通用しない場合もあります。なお、使用回数制限がありますが、時間で回復していきます。
敵の攻撃に対し、スパイダーマンは防御手段を持たないため、〇ボタンの回避で攻撃を避ける必要があります。そこで重要なのが“スパイダーセンス”。過去のスパイダーマンゲームにも搭載されていましたが、攻撃を受けそうなときに頭にエフェクトが光ります。その時は〇ボタンと左スティックで敵から離れたり、横に回避するなどして対処しましょう。また、回避時に相手の裏に回るムーブもあります。一部の敵は前方の攻撃を盾で防ぐ者もいるので、このムーブで裏を取って反撃しましょう。
また一部のアイテム、例えばガレキやごみ箱などはR1+L1同時押しで敵に投げつけることができます(敵の投げたアイテムも同様の操作で、早めに対処できれば投げ返せます)。また、足場などは同じくR1+L1同時押しで崩して近くの敵を一網打尽にすることができます。壁を背にした状態からの攻撃で敵にジャンプで跳びかかるなど環境を利用した攻撃も重要です。
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表示されているアイテムの特性をうまく使いましょう。
最後に、派手に戦うだけがスパイダーマンのバトルではありません。人質が取られている場所への侵入など、時には敵を一人一人地道に拘束して進むステルスミッションも存在します。その動と静のバランスも本作の妙といえましょう。
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本作ではすでに逮捕され、刑務所に入っていたヴィランがミスター・ネガティブによって解放されてしまいます。
カスタマイズ:多彩なスーツとガジェット、スキルで自分だけのスパイダーマンを生み出せ!
本作では青と赤のコントラストがまぶしい新しいスパイダーマンのスーツが登場し、本作ではこのスーツに特殊能力が搭載されています。例えば、この新スーツでは能力を発動させると一定時間フォーカスゲージが自動蓄積されます。さらに新スーツにもさまざまなスーツが用意されており、レベルを上げるごとに開発可能となって、特定のトークンを消費することで開発・レベルアップができます。別の“スパイダー・バース”のスーツもあるようなので、もしかしたらあの作品のスーツが出てくるかも……?
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なお、初回出荷限定で同梱される(ダウンロード版は予約時のみ付与)特典には3種類のスーツも存在します。この中には映画「アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー」で登場したデザインのスーツも!
また、ゲーム中にはウェブ・シューターに変わる“ガジェット”も登場します。これは『ラチェット&クランク』の“ガラメカ”のような感じのもので、L1長押しで選択できるようになります。強力なウェブを発射して敵を壁に拘束できるものや、センサーに反応すると敵を捕らえるセンサー機雷のようなガジェットもあります。また、特典で早期解放が可能になる“スパイダー・ドローン”は多くの敵を相手にする際に役に立ちそうです。
さらに、レベルアップで獲得できるスキルポイントを使うことでスパイダーマンのムーブを増やしたり能力の底上げができるようになります。これらのカスタマイズ機能を駆使して自分のプレイスタイルに合った“俺スパイダーマン”を作り上げることができます。
インタビュー:スパイダーマンとInsomniacのDNAが結合した本作開発の裏話
ゲームならではの新しい“スパイダーマン・ユニバース”を作り出したInsomniac Gamesのスタッフたち。今回のイベントではコミュニケーション・ディレクターのジェームズ・スティーヴンソン氏に話を伺うことができました。
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ウェブ・シューターのポーズがお気に入りのようです。
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――「スパイダーマン」は映画だけで6作、ほかにもアニメや実写などの作品がありますが、今回の『Marvel's Spider-Man』で映画しか知らない、アニメしか知らない人たちにアピールできるポイントはありますか?
スティーヴンソン氏:まず映像作品や過去のゲーム作品などでは体験できないスパイダーマンのゲームを作ろうというのが発端です。コミックや映画などたくさんのメディアでかっこいいスパイダーマン像を提示していますが、ゲームではスパイダーマンの体験ができるのが一番大きいところで、映画などで興味を持った人がより深くスパイダーマンになりきれるのが本作のウリの一つです。
また、過去のスパイダーマンの作品にはなかった設定、例えばノーマン・オズボーンが市長になったり、MJがデイリー・ビューグルの記者になったりしているなど、スパイダーマンのファンの方にはこのような新しい設定を楽しんでいただけると思います。また、ピーターにも新しい“師匠”と呼べるような人物が登場し、そのあたりもストーリーの重要な核になっています。
――ゲーム本編を遊ぶ前に見ておいた方がいい「スパイダーマン」の作品はありますか?
スティーヴンソン氏:オリジナルの世界とストーリーなのでスパイダーマンを知っている方には楽しめるポイントを作りましたし、知らなくても物語が理解できるようには作っています。ただ、ピーターがクモに噛まれて特殊能力を得た、というくだりも知らない、という方にはそのあたりのわかるもの(筆者注:映画「スパイダーマン」「アメイジング・スパイダーマン」でそのあたりが描かれています)は見ておいた方がいいかもしれません。また、コミックの方に興味があるなら「Ultimate Spider-Man」がオススメです。
(筆者注:「Ultimate Spider-Man」は執筆当時Marvel、現DCコミックスのコミックライター、Brian Michael Bendis氏によるスパイダーマン作品。2005年にはActivisionによってゲーム化され、日本ではタイトーより発売されています。Bendis氏はゲームの監修も担当したことがあり、先に紹介したゲーム版『Ultimate Spider-Man』や『Disney Infinity 2.0: Marvel Super Heroes』のプレイセットのストーリーも担当しています。)
――スパイダーマンを題材にしたということで、カジュアルプレイヤーからコアゲーマーまで幅広い層に向けて作られていると思いますが、どのプレイヤーにも楽しめるようなフィーチャーはありますか。
スティーヴンソン氏:まず最初にどんなプレイヤーでもコントローラを手にしたらぱっとゲームの世界に入れる、ということが重要だと思いました。カジュアルなプレイヤーも手に取るゲームだと思いますので。このゲームでのスパイダーマンは8年間の経験があるので、ゲームを始めたばかりでも、ウェブスイングも戦闘にも熟練したスパイダーマンに感じてもらえると思います。
もちろん深みも用意していますので、アクションゲームの上手な人やコアゲーマーにはやりこめばその分獲得できる楽しさが用意されていますのでその点も満足していただけると思います。難易度も3段階用意していますので、低い難易度であればアクションゲームが不得手な人でもストーリーを堪能したり、ウェブスイングでスパイダーマン気分を楽しめますし、チャレンジを求める方向けの高い難易度も用意しています。
――日本のゲームプレイヤー層をどうご覧になってますか?
スティーヴンソン氏:世界中から見るとスパイダーマンはもっとも人気の高いキャラクターの一人だと思いますので、世界中のファンにお届けできるとともに、日本に関しては『ラチェット&クランク』シリーズでファンの皆様に支えていただいて多くの方々にご購入いただいておりますので、そのような方々に『Marvel's Spider-Man』を楽しんでいただければと思います。
――本作が現世代機・PS4ベースで開発される初のスパイダーマンのゲームとなりますが、オープンワールドのニューヨークを作るうえで苦労された点はありますか?
スティーヴンソン氏:まずニューヨークの雰囲気を再現することが大切だと思っていたのですが、なにせマンハッタンは非常に広大な島なのでいろいろなものを置いていくには沢山のアートの作業が必要になりました。それに加えて人や車にあふれたオープンワールドにしたかったのでそれらの制作作業もありました。ニューヨークの完全な再現ではないですが、ニューヨークに行かれた方はニューヨークの雰囲気を再現したゲームと思っていただけるのではないかと思いますし、行ったことがない方もこういう雰囲気の街と感じていただけると思います。
――今回のメインヴィランとなるミスター・ネガティブについて、なぜ採用したのかを含めて教えてください。
スティーヴンソン氏:それにはいくつかの理由がありまして、まず本作ではピーターの世界とスパイダーマンの世界が“衝突”するのが物語のカギとなります。ミスター・ネガティブの表の顔はマーティン・リーという慈善事業家でシェルターを運営しているのですが、そこにメイおばさんが働くことで、スパイダーマンとして倒すべき敵が実は表向きは善人である、という葛藤が生まれます。
もう一つの理由は私たちがミスター・ネガティブの大ファンだからです(笑)。ミスター・ネガティブは登場して10年くらいしか経っていない新しいヴィランなので意外な選択だと思うかもしれませんが、コミックを読んでない人限りはミスター・ネガティブについて何も知らないので、新鮮なキャラクターとして受け取っていただけると思います。もう一つ、ダン・スロットというミスター・ネガティブを世に送り出したライターが、本作のストーリーに関して相談したMarvelのスタッフの一人だったからです。彼からミスター・ネガティブがどんなキャラクターかなどの情報を聞き出して、最終的にミスター・ネガティブをメインヴィランに決めました。
――本作にはアベンジャーズタワーが登場する、といったマーベル他作品とのクロスオーバーがありますが、これらの要素はほかにもあるのでしょうか?
スティーヴンソン氏:基本的にはスパイダーマン、という作品にフォーカスをあてているのですが、この作品の舞台を普通のニューヨークではなく“マーベルのニューヨーク”としています。そういう設定であれば、アベンジャーズタワーやワカンダ大使館がないのは変ですよね?
また、この秋に発売されるコミック「Spider-Geddon」からの引用があるなど、スパイダーマンを知っていれば楽しめる要素も含んでいます。ただし、物語の中心となるのは我々が作ったユニバースになります。ちなみに、本作のシナリオを書くときに相談していたマーベルの脚本家の一人が「Spider-Geddon」のライターで、「Spider-Geddon」にも『Marvel's Spider-Man』のスーツが登場しますのでそちらも楽しみにしていてください
(筆者注:「Spider-Geddon」の国内版発売は現時点では不明です)。
――本作のピーターはデイリー・ビューグルを辞めて科学者への道を歩むことになったわけですが、それらの経緯はゲーム中で語られることはあるのでしょうか?
スティーヴンソン氏:ゲームを進めていくうちにそれに関係するような会話が登場することもありますし、ピーターは街中のいろんな場所にバックパックを置いていますので、それらを集めることでピーターの過去が少しずつわかるようになっています。またゲーム中、スパイダーマンは独り言を言うことが多いので、そのセリフからピーターの過去につながるヒントはあると思います。
ストーリーの深みと爽快なバトル、そしてニューヨークの街をウェブで巡る楽しみが詰まった『Marvel's Spider-Man』。マスターアップも済ませ、いよいよ発売日まであと1か月となります。今後の情報に期待しつつ、発売を待ちましょう。
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PS4用ソフト『Marvel's Spider-Man』は9月7日(金)、6900円(税別・ダウンロード版同価格)で発売。また、赤いボディに白のスパイダーロゴが際立つ『PlayStation 4 Pro Marvel's Spider-Man Limited Edition』も46980円(税別)で同時発売されます。こちらはゲーム本編・初回封入特典に加えシーズンパス「摩天楼は眠らない」が同梱されます。
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