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昨年8月にEpic Gamesがアップルに対して起こした訴訟に関連して、裁判所からSteamで販売されているゲーム436本の特定の売上データと価格データを、アップルに提出するよう要請されたことがわかりました。
アメリカの裁判情報を扱うLAW360によると、これは2月24日にZoomを用いたオンライン傍聴会の際に言い渡された要請とのこと。この傍聴会は、Epic Gamesがアップルの運営するApp Storeでの販売手数料が独占禁止法に抵触するとして昨年8月に起こした訴訟、アップルによるEpicへの契約違反に関する反訴、顧客と開発者による集団訴訟に関連して行われたものです。
当初、アップルは2015年まで遡ったSteamで販売された全てのゲームの販売データを求めていましたが、2017年まで遡った436本タイトルのデータに制限されました。他にも、サムスンのアプリストアの販売データもアップルに引き渡すよう要請されています。
Valveの弁護士は、従業員が350名程度しかいない小規模な企業であるValveにとって過度に負担が大きくなるとし、データを引き渡す必要はないとして請求を取り下げるよう申請してます。また、要求されているデータはすでに公開済みのものが含まれているほか、Valve以外のゲーム開発者の機密情報も含まれていると主張。アップルがデータを必要とするなら、Valveではなく直接サードパーティに請求すべきだとしています。
これに対しアップル側の弁護士は、当初はSteamの全てのゲームが対象だったが妥協して436本に絞ったこと、請求しているデータは訴訟で問題とされている関連市場におけるアップルの立場を裏付けるものになり、Epicがアップルによって何も制限されていなかったことを示す証拠になると主張しています。
この訴訟は、今年5月にカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にて、陪審員制度を用いないベンチトライアル方式で審理される予定です。