2022年3月5日:プーチン大統領が国内の情報規制を強める
国際社会の出来事
EAがロシアとベラルーシで自社タイトル販売停止―他ストアでもEAタイトル販売停止を働きかけ
自社のスポーツゲームからロシアチーム・クラブの削除を決定していたエレクトロニック・アーツですが、新たにロシアとベラルーシでの自社ゲームおよびコンテンツ販売の停止を発表しました。この措置の実施期間は「紛争が続く間」とされており、自社が運営するダウンロード販売プラットフォームOriginだけでなく、他社ストアでも同じ対応が出来るよう働きかけていることを明かしています。
EAがロシアとベラルーシで自社タイトル販売停止―他ストアでもEAタイトル販売停止を働きかけロシア向けニンテンドーeショップがメンテナンスモードに入りゲーム購入が不可に―ルーブル取扱い停止の影響と説明
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時を同じくして任天堂は、ロシア向けニンテンドーeショップがメンテナンスモードに入ったことを告知しました。CD PROJEKT RED、エレクトロニック・アーツと続いている販売停止措置ですが、任天堂は「ニンテンドーeショップが使用している決済サービスがルーブルでの支払い処理を停止したため」と説明。一時的なメンテナンスとされているものの、終了予定時期などの詳細は明らかにされていません。
ロシア向けニンテンドーeショップがメンテナンスモードに入りゲーム購入が不可に―ルーブル取扱い停止の影響と説明2022年3月6日:ウクライナから国外避難民が続出、欧州で戦後最速のペースに
『This War of Mine』ウクライナへの寄付は約9,800万円を集めて終了―既にウクライナ赤十字社を通して支援が開始
11 bit studiosは、2月25日から1週間開催した『This War of Mine』関連収益をウクライナ赤十字社に寄付するチャリティを終了し、最終額が85万ドル(約9,800万円)に達したことを報告しました。
『KAMI』開発のState of Play、『Project Warlock』開発のCrunching Koalas、『ロスト・イン・ランダム』開発のThunderful Games、『Chernobylite』開発のThe Farm 51などの様々なゲームディベロッパーが触発され、それぞれ収益の寄付を公表するなど業界でも影響のあった本活動。公式Twitterアカウントは「皆さんの善意の量は格別です」と協力への感謝の意を表しました。また、ウクライナ赤十字社を通した今回の支援が既にウクライナへと届き始めていることも併せてツイートされています。
2022年3月7日:ロシアとウクライナが第三回停戦交渉を行う
国際社会の出来事
ロシアでデジタルゲーム購入が実質不可能に―米大手クレジットカードとPayPalがサービス停止
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米大手クレジットカード会社Visa、Mastercard、並びにAmerican Expressはロシアでの事業停止を発表しました。ネット決済仲介会社PayPalもウクライナ副首相ミハイロ・フェドロフ氏のツイートを経由して、ロシア向けサービスの停止が明らかに。これにより、Steamなどのダウンロード販売プラットフォームで採用されている主な決済サービスが使えなくなったため、ロシアからのデジタルゲームの購入が実質的に不可能になりました。なお、3月8日にはJCBカードもロシアでの決済事業停止を発表しています。
ロシアでデジタルゲーム購入が実質不可能に―米大手クレジットカードとPayPalがサービス停止マイクロソフトがロシアでXbox含む全製品の販売を停止―アクティビジョンやEpic Gamesも続く
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CD PROJEKT REDから始まった大手のロシア圏でのゲーム販売停止による制裁ですが、マイクロソフトに加え、アクティビジョン・ブリザードやEpic Gamesも同様の措置を取ることを発表しました。なお、マイクロソフトの決定はゲーム関連に限らず、“全ての製品・サービス”を対象としたものですが、同社のゲームビジネス開発チームの責任者であるサラ・ボンド氏も賛同の意を表しています。
おわりに
未だに多くのゲーム関係者を含む市民が国内に取り残されるなか、停戦の兆しも見えないウクライナ侵攻。ロシア側でも経済制裁の煽りを受け、開発もゲーマーも例外なく苦境に立たされていることが既報から窺がえます。両国外では、ゲーム企業や個人による寄付や販売停止が行われており、法外な価格設定で戦争へ抗議を行うケースもありました。
今回紹介した記事で取り上げられた「Arma 3 Charity Bundle」は記事公開時点も継続中な事に加え、itch.ioでは約1,000アイテム入手できるウクライナ支援バンドルが3月18日まで発売されるとのこと。前者は赤十字国際委員会に、後者はInternational Medical CorpsとVoices of Childrenに収益が寄付されることが公表されています。
団体ごとに支援金の用途が異なるため、不安になった場合は団体の公式サイトなどをチェックし、寄付先を見定めることもおすすめです。次回の停戦交渉の展望も開けない現状ですが、1日も早い平和的解決を願います。
※UPDATE(2022/3/10 16:58):記事冒頭で紹介した論文「ロシア人とウクライナ人の歴史的統一について」に関して、プーチン大統領本人が執筆したものであることが明確にわかるよう加筆しました。コメントでのご指摘ありがとうございました。