
サイバーエクスポージャー管理プラットフォーム「Tenable one」ほか、数々の脆弱性リスク管理ソリューションを提供するTenable, Inc.(以下、テナブル)。IT資産やクラウドリソースを持つあらゆる業界をサポートする同社の日本法人、Tenable Network Security Japan株式会社(以下、テナブル ジャパン)が、ビデオゲーム業界に熱い視線を向けています。テナブルのソリューションはゲーム開発の現場でどのように活きるのか? 同社の阿部淳平氏と水村明博氏にうかがいました。
「Tenable」公式サイト世界23カ国に展開するセキュリティベンダーの第一人者
――まずは簡単な自己紹介をお願いします。
阿部テナブル ジャパン シニアセキュリティエンジニアの阿部淳平です。弊社製品の販売パートナーやお客様に対し、技術的な側面からの支援を担当しています。
水村同じく、シニアマーケティングマネージャーの水村明博です。日本市場でのPRが業務のひとつで、ウェビナーや外部へのイベントなどに顔を出しています。
――御社と御社が提供するソリューションについて教えてください。
阿部テナブルは、サイバーセキュリティの会社です。セキュリティベンダーは数多くありますが、テナブルは事前対策――すなわちセキュリティリスクの可視化とコントロールにフォーカスしています。可視化することで、サイバー攻撃を受けない強固な仕組みを構築していただくソリューションの提供やプラットフォームの販売を行っています。

――2002年の設立以来、テナブルはワールドワイドで展開されていますね。
阿部脆弱性評価ソリューション「Nessus」の開発で市場を開拓したのを皮切りに、本社があるアメリカをはじめ、ブランチはアジアやヨーロッパを含む世界23カ国に展開しています。2023年3月時点での顧客は43,000社におよびます。
設立当時は公開しているサーバーだけを評価すれば問題ありませんでしたが、やがてクラウド環境、OT、IoTとビジネスの領域が拡大していくのにあわせ、弊社もカバレッジを広げています。
水村日本支社であるテナブル ジャパンは2014年に設立されました。総合的セキュリティプラットフォームとして高い知名度と評価をいただいているものと自負しております。
――テナブルのソリューションは、主にどのような業界で使われていますか?
水村特定の業界というわけではなく、公開事例にもある保険会社や銀行を始めとし、IT資産あるいはOT資産を所有しているさまざまな業界で採用していただいています。その中には、もちろんゲーム業界も含まれています。

世界に誇る日本のビデオゲーム産業を支援したい
――2023年2月9日には、モバイルゲーム大手のKLab株式会社がテナブル ジャパンのソリューションを採用したと発表されました。
水村はい。しかし、KLabさんの事例はテナブルのソリューションがゲーム業界で採用された初の事例というわけではなく、実際にはこれまでにさまざまなゲームメーカーに採用されています。
参考:KLabによるテナブル導入事例―グローバル提携で求められる脆弱性対策――テナブル ジャパンがゲーム業界へ熱い視線を注ぐ理由はどのようなものなのでしょうか。
水村私たちは、ビデオゲームは日本が世界に誇る産業のひとつだと考えています。そしてテナブル ジャパンの社員は日本人が圧倒的に多いということもあり、日本のゲームメーカーにグローバルの舞台でより活躍していただきたい、それを支援したいと思っています。
近年はゲームが仮想通貨やNFTのやり取りの場としても機能するようになり、セキュリティがより一層重要なものになっています。セキュリティ事故は一度発生してしまうと負の連鎖を引き起こしやすいので、そうならないためのセキュアな環境を提供できればと考えました。
――ゲーム業界で導入するにあたっての、テナブル ジャパンの強みを教えてください。
水村デベロッパー、パブリッシャー、IPの権利元など、今日はひとつのゲームタイトルを手がける際に複数の企業でエコシステムを構築するケースが増えていることかと思います。そうした環境において、複数社間でのIT資産のやり取りに安全性を担保できるのが弊社のソリューションです。
エコシステム構築の際には海外企業とやり取りするケースもあるかと思いますが、海外企業は複数社間でのルールやコンプライアンス構築のノウハウが日本企業に先んじていることも少なくなく、先方からセキュリティに関する条件や環境を指定されて初めて対応する事例もあると聞いています。
そのような流れで、弊社のソリューションを採用いただいている面もあると考えています。

ソリューション導入で想定外の脆弱性を多数発見
――先ほども話に挙がった、KLabでの導入事例について教えてください。
阿部エコシステムを構築する際に、版権をお持ちの版元様から弊社の名が挙げられたとのことでした。世界各国の関係企業とやり取りをしていく上で、著作権やゲームのコンテンツ情報など、守るべきものは多岐にわたります。安心できるやり取りを進めていくには、自社のセキュリティ強度を高め、不正アクセスやサイバー攻撃に対する耐性を示すことで信頼を獲得することが重要です。
それを受けて、KLabさんは弊社含めていくつかのソリューションを検討されていましたが、弊社の網羅性の高さや、脆弱性を発見してからの対応速度、提供形態が SaaS(Software as a Service)であることなどが選定の決め手になったとうかがっています。オンプレミスですと、セキュリティ資産そのものにもセキュリティリスクが生じてしまいますので。
――SaaSである方が一層セキュアになるというわけですね。
阿部KLabさんは、OSや展開するサービス(ゲーム)そのものの脆弱性は弊社のソリューション導入前から強固なセキュリティになっていましたので、それ以外の見落とされがちな部分――具体的には、社内サーバーやネットワーク機器、AWS上のインスタンスなど、社内インフラのセキュリティ強化に採用していただきました。
その結果、ハードウェア(サーバー)の管理用ツールなど、想定外のものに残っていた脆弱性を多数発見できたとのことで、非常にご満足いただけました。

――テナブルとしては、自社製品のどのようなところが高く評価されていると捉えていますか?
阿部セキュリティ管理の部分はもちろん、我々の製品は可視性やUI/UXも含め、全体的な使いやすさも高く評価いただいております。KLabさんからもその部分は好評で「とにかく使い勝手が最高にいい」という言葉をいただいています。
導入する側はこのソリューションのみを触っていればよいわけではありませんので、操作の習熟に時間を割くのは非効率的です。少しでも使いやすい製品にすることは、テナブルがサービスを提供し始めた20年前から今日に至るまで、社を上げて重視していることのひとつで、専門のチームを用意して常に改善を続けています。
――それでも導入の前後に不明瞭な点があった際、サポートは受けられますか?
阿部もちろんです。スムーズな運用までを含めてひとつのソリューションとして提供すべく、ライセンスのみならず、テクニカルサポートやプロフェッショナルサービスなども提案させていただいております。我々テナブル ジャパンも可能な範囲で日本語サポートいたします。
――最後に、ゲーム業界でテナブルのソリューションを採用するにあたってのアピールポイントをあらためて教えてください。
水村ゲームそのものや、開発環境のオンライン化が当然のものとなって久しいゲーム業界では、インフラのクラウド化や企業同士のエコシステム構築、プレイヤーを含めたインフラ環境のリスクヘッジとしてセキュリティの重要性が増し続けています。セキュアな環境を構築すべく、ぜひテナブルのソリューションの導入を検討していただければと思います。
阿部特に、グローバルに展開する際は一定水準以上のセキュリティレベルを確保する必要性がより高くなります。その際は、多くの実績と信頼を持つテナブルをご用命ください。
「Tenable」製品無料トライアル20年以上前にIT資産の脆弱性管理市場を開拓し、世界でもっとも多く導入されている脆弱性評価ソリューション「Nessus」をはじめとする数々のソリューションを提供し続けているテナブル。コーポレートサイトでは、ソリューションの無料トライアルも受付中です。