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「ゲーム企業の採用周りの話が気になるな……」そんな素朴な疑問から、今回GameBusiness.jpでは、「ゲーム企業の採用事情を訊く」という不定期インタビュー連載を立ち上げました。この連載では、ゲーム会社の採用担当者や、実際にゲーム会社で働いている方を対象に、「採用担当って何してるの?」「実際働いてみてどうですか?」など、様々なことをインタビューしていきます。
記念すべき第1回では、今や日本を代表する開発会社である「フロム・ソフトウェア」にて、採用を担当する大森修史氏にお話を伺いました。
昨今では「DARK SOULSシリーズ」や『SEKIO: SHADOWS DIE TWICE』『ELDEN RING』などヒット作を続々リリースしているフロム・ソフトウェア。その反面、会社としては謎めいている部分もありましたが、2022年には採用関連の施策を多く行い、直近では、フロム・ソフトウェアの様々な職種を紹介する「職種紹介動画」を公開するなど、会社そのもののアピールも大々的に行っていくという様子が見えてきました。その施策の裏にある想いと、現在の採用状況などをお話しいただきました。
――本日はよろしくお願いします。大森さんは現在どのような業務を行っているのでしょう。
大森:フロム・ソフトウェアの「プロジェクト推進セクション」という部署で採用を担当しています。
元々は、ゲームやCGといったデジタルコンテンツ系の学校運営に携わっていました。その際に、学生とともにフロム・ソフトウェアに来ることもありました。そうしたゲーム関連の学校運営に携わりながらも、私自身はゲーム業界の経験がなく、それでいいのだろうかという考えもありまして、フロム・ソフトウェアに入りました。それから10年ほどの間、採用や開発も少し経験し、弊社の福岡スタジオという3D専用スタジオの立ち上げも手掛けていました。その後は別会社にて3年ほどソーシャルゲーム業界を経験した後、弊社に戻ってきまして、2年ほど採用を担当しています。
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――フロム・ソフトウェア歴も長いんですね。今はほぼ全部署募集されていると思いますが、特に力を入れて応募したい部署などはありますか?
大森:ひとつは、企画職(ゲームプランナー)ですね。現在は60名ほどが在籍しています。コンテンツ制作におけるプランニングおよび仕様書の作成などを通じて、アイディアコンセプトを言語化し、ゲームの核となる部分を作っていく職種になりますので、積極的に採用しています。
また、「システムプランナー」という弊社独自の職種があります。企画の考えたアイディアをエンジニアに渡す際に、企画とエンジニアの間に立つメンバーですね。企画とエンジニアの架け橋となって、アイディアを実現するための技術的な検証や、効率的な手法、実装仕様の策定を主に行います。そのシステムプランナーの仕様書を基に、エンジニアがプログラムを組んでゲームを作り上げていきます。
他社様の場合ですと、いわゆるプログラマーが仕様書を書くことが多いと思いますが、その場合どうしてもメインの仕事が忙しく、時間がかかってしまうということがあります。弊社はそこを切り分けて、企画とエンジニアの間にシステムプランナーを立てることによって、ゲーム開発効率化を目指しています。わかりやすく言えばシステムエンジニアに近いのですが、もう少しゲームに寄って、企画も見られる、プログラミングの知識もある、というとても重要なポジションです。
システムプランナーは、現在は25名ほど在籍していますが、こちらも早急に採用を進めたいと思っています。その他、もちろんサーバーエンジニアであったり、ゲームプログラマーと言われるエンジニア系は、全体的に募集しています。
また、学校でもエンジニア教育が推奨され、昨今ではエンジニアの数も増えてきましたが、グラフィック職やグラフィック系の学校はまだそこまで多くはありません。3Dグラフィックスアーティスト、いわゆるキャラモデラーであったり、背景モデラーといった職種ももっと増やしていきたい考えており、採用を進めています。