【キャリアクエスト】「ユーザーと触れ合えるのがゲーム制作の魅力」―『サイレントヒル』の「ロビー」を作り上げたKONAMIのベテランデザイナーにインタビュー | GameBusiness.jp

【キャリアクエスト】「ユーザーと触れ合えるのがゲーム制作の魅力」―『サイレントヒル』の「ロビー」を作り上げたKONAMIのベテランデザイナーにインタビュー

コナミデジタルエンタテインメントで働くデザイナー職マネージャー・K.Y.さんに話を聞きました。

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Game*Sparkと4Gamerは、「とにかくゲーム業界で働きたい!」と志す学生の皆さまに向けた就活イベント「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」を6月30日(日)に開催します。

本記事ではこちらのイベントにあわせて、実際に現場で働いている方に質問を投げかけた“ゲーム業界を目指す学生のためのインタビュー”をお届けします。

今回のインタビューのお相手は、「株式会社コナミデジタルエンタテインメント」で働くデザイナー職マネージャー・K.Y.さん。コナミデジタルエンタテインメントは『パワプロ』『プロスピ』『遊戯王OCG』『eFootball』『桃太郎電鉄』『メタルギア』『サイレントヒル』『ボンバーマン』など数々のコンテンツシリーズを運営する会社です。

「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」公式HP

◆幼少期から「絵を描くこと」が好きだった

――よろしくお願いします。まずは、自己紹介をお願いします。

K.Y. :プロダクト推進室でデザイナー職の上席主査を務めています、K.Y.と申します。入社年度は1997年で、美大を経てこの業界に入りました。

――現在はどのような業務を担当されていますか。

K.Y. :主に、さまざまなユニットに所属するデザイナーの横断的なマネジメントを担当しています。

――ゲーム業界に興味を持ったのは、いつごろだったのでしょうか。

K.Y. :実家が自営業をしていた関係で、子どものころから自宅にPCがあり、PCゲームを小学校中学年くらいからよくプレイしていました。当時のゲームは、今のものと比べるとグラフィックがシンプルだったので、「これなら自分でも描けるんじゃない?」と思い、デザイナーという職に興味を持ちました。勘違いも甚だしいですね(笑)。

――ゲーム業界というよりもデザイナー職に興味があったのですね。

K.Y. :そうですね。そもそも、昔から「絵を描きたい」という気持ちはありました。すごく漠然とした気持ちではありましたが、漫画を描くことも好きだったので、とにかく絵に関わる仕事に携わりたいと思っていました。

そういった想いもあり、大学ではビジュアルデザインを専攻し、広告のデザインを学びました。

広告のデザインも正しく伝えるという目的があってよかったのですが、最終的には、プレイするユーザーのためにデザインするゲームデザイナーに惹かれました。

そして、一足先に就職した先輩がKONAMIに入社して、「すごく楽しい」と言っていたので、幼少のころを思い出して、チャレンジしようという気持ちが芽生えました。

◆ファンからの感謝がゲーム制作のモチベーションに

――入社したてのころは、どのような業務を任されましたか。

K.Y. : 面接で『グラディウス』を作りたいということを話したら、『グラディウス』や『沙羅曼蛇』を作るシューティングチームに配属されました。最初にやったのは、スコアのドットを描くというところから、数字やアルファベットをひたすら打って覚えました。

シューティングに2作携わったあとは、同じチームで3Dタイトルを作ろうということになりました。デザイナー4人でそれぞれ自由に得意分野のキャラやシナリオを作ったあと、いろいろと足りないことに気づき、ステージやアイテム、モーションなどを足す、といった手探りな作り方をしていました。

ひとつの物を極めるのも大事な選択肢のひとつなのですが、僕としてはゲーム全体の作り方も学んだほうがいいと思います。自分の担うパートとは違うところでも、知っておいたほうが強みになるはずです。

――これまでの仕事の中で、思い入れのあるゲームタイトルはありますか。

K.Y. :これまで『グラディウス』シリーズや2作目以降の『サイレントヒル』などに携わってきました。その中でも、特に思い入れが深いタイトルは『サイレントヒル3』です。前作である『サイレントヒル2』の終了後1年という短い開発期間で作らねばならず、許可を得て廃墟を取材し、ゲームの雰囲気にマッチした背景を作っていました。

実は、この『3』に出てくる「ロビー・ザ・ラビット」は、僕が企画したものです。とある駅ビルの屋上にあった遊戯スペースでウサギのきぐるみが風船配りをしていたのを思い出しながら、「日常の中の非日常」をテーマに作り上げました。

――「ロビー」はシリーズのアイコニックなキャラのひとつですし、制作に携わられた『サイレントヒル2』はリメイク版が発売されます。こうした、ご自身が過去に手掛けられた作品がさまざまな形で愛されることについては、どう感じますか。

K.Y. : すごく嬉しいですね。当時は、ロビーがここまで愛されるキャラになって、さまざまなグッズ化をしていただけるとも思っていませんでした。『サイレントヒル2』についても、ふたたび日の目を見られることはとてもありがたいです。

――これまで働いてきた中で、ゲーム業界ならではのお仕事エピソードがあれば教えてください。

K.Y. : 僕が入社した当時は、ちょうど初代PlayStationの開発時期でした。そのころのゲームパッケージにはアンケートを書いて送れるハガキがついており、さまざまなユーザーさんから意見や感想を送っていただきました。

送っていただいた中に、僕の知らない言語で書かれたハガキもありました。たくさんの「!」とともに文章が書かれていたので、気になって翻訳してみたところ、その作品を作ったことに対して「すごく感謝している」という内容だったんです。

それを見たときに、ゲームは言語の壁を越えて評価をいただけるんだなと感じ、それからの仕事のモチベーションにつながりました。非常に思い出深く、ゲーム制作者冥利に尽きる体験でした。

――ゲーム業界で働く中で、業界ならではの楽しいことや良い点はありますか。

K.Y. :弊社の場合、社員の年齢層に大きな幅があります。自分が熱中したゲームを作った人が、一緒のチームにいるかもしれない……という環境の中で、いっしょにものづくりができるという体験はなかなか味わえないと思います。

チームで仲良くなると、仕事帰りにフットサルに行ったり、映画を観たり、休日にはサバゲーに行ったりとか(笑)。近しい人だけではなく、いろんな世代の人とプライベートも楽しめるコミュニティができるというのも、ゲーム業界の良い点ではないでしょうか。

また、ゲーム業界で働く方はいろんな趣味や知識を持っている方が多いと感じます。年齢が高い方でも、気持ちはすごく若いんです!。そんな人達と一緒に仕事をすれば自分の引き出しも広がっていきますし、自分も若い感性のままでいられる気がします(笑)。

◆新入社員をサポートする充実した研修と開放的な環境

――入社後、初めて感じた困難とそれをどう乗り越えたかを教えてください。

K.Y.:昔は入社したら自分で学んで即戦力を目指すという感じでした。僕も基本的に触ったことのないデジタルツールを使わなければならず、その時はPhotoshopすら慣れていない中で、まずは2Dを学びました。

その後、すごく高級な3Dの機材を学ぶことにしたのですが……マニュアルが全部英語だったんですよ。まずは英語を訳して体に染み込ませ、なんとなくの位置で使い方を覚える……というなかなか大変なことをしていました。もちろん今は研修があるので、そんなことにはなりません。

――やはり今と昔では働く環境も大きく違うんですね。教育や研修ではどのようなことが行われているのでしょうか。

K.Y. :新入社員の入社後にはまず、全職種の社員による共通研修が行われます。その後制作職は、1ヶ月から2ヶ月ほどをかけて扱ったことのないツールを実際に体験して学ぶという技術研修を行います。

研修が終われば、各部に配属され、プロジェクトに則したツールを先輩方に教えられながら学んでいきます。これまでまったく触ったことがなくとも、しっかり学んで準備してから現場に入るという環境を築いています。

――社内の風通しの良さや職場の働きやすさについてはどのように感じますか。

K.Y.:働きやすい職場だと思います。時間管理がしっかりしていますし、周りも面倒見の良い方が多いので、いろいろとフォローしてくれます。人事の方も含めて、年齢差があっても大きく気を使わなくても良いような、開放的な環境になっていると思います。

◆学生時代から“とりあえずやってみる精神”で情報へのアンテナを張る

――普段、プライベートの時間は何かゲームをプレイされますか。

K.Y. :結婚してから腰を据えてゲームをやる機会は減りましたね。メインで遊んでいるものは基本的にソーシャルゲームで、弊社の『プロ野球スピリッツA』をよく遊んでいます。

個人的な見方ですが、同じところをずっと見ているよりは、いろんなところを見たほうが仕事での引き出しが増えていくと思います。普段は家族との時間や趣味で切り替えるようにしています。

――ちなみに、最近ハマっている趣味などはありますか?

K.Y. :最近は「カヤックフィッシング」というものにハマっています。その名の通りカヤックの上で釣りをするんですが、朝焼けから遠くに富士山が見える中、大海原にぷかぷか浮かんでいるだけでも、凄く癒されますね……。

あとは、娘の付き合いでK-POPアイドルのコンサートに行くこともあります。一緒にペンライトを振って、周りから見たらイタいおじさんかもしれません(笑)。

――いやいや、素敵だと思います。

K.Y. :アイドルグッズを買うために街に行くこともあるのですが、実はこれもいろんな熱量や文化を知れるし、流行っているものの情報もキャッチできるので、意外と活かせるんです。「恥ずかしいから嫌だ」って言ってしまうと、そこで何も得られなくなってしまうじゃないですか。なので、娘が嫌でなければ、積極的に行くことにしています。

ーープライベートで得た情報を仕事にも活かされているのですね。

K.Y. :僕は学生時代も勉強以外に、友達との交流を大事にしたり、いろいろな趣味を広げたりと、興味のあるものはとりあえず動いてやってみるという過ごし方をしました。

それが、結果的にさまざまなものを掴み取るアンテナになっていると感じます。特に今の時代は何が当たるかわかりませんから、仕事に直接関係ない情報でも意外と馬鹿にならないんです。

◆ゲーム業界に入りたいなら、やりたいことを明確に

――今後、社内での業務を通じて新たにチャレンジしたいことはありますか。

K.Y. :今は求められる人材をどのように育成するかに挑戦しています。仕事はいろんなシチュエーションに対応していく必要があるので、それらをいかに能動的に動かしていけるかというのはひとつ考えていることです。

また、面白い人材の発掘や採用にも力を入れたいと思っています。やる気があってどんどん自分から動ける人は将来的に見ても伸びしろがあるので、そうした人材の面に注力したいと考えています。

ーー「好きなモノを仕事にすること」について、ゲーム業界の人間としてどのように考えられていますか。

K.Y. :ゲームが好きな人や作ることが好きな人にとって、ゲーム業界は素晴らしい仕事だと思います。僕が働くことになった発端がそういったものだったので、とても楽しく働かせていただいています。

ただ、1人のユーザーとしてゲームに触れることと、作り手として触れることは意識するところが全く違います。

悪い評判が入ってきたりとか、自分がやりたいことに上からの許可が下りなかったとか、そういった負の面は必ずあります。そこをひっくるめて楽しめるかどうかを判断して、ぜひゲーム業界に挑戦してみてほしいです。

――最後に、ゲーム業界を志す学生に向けてアドバイスがあれば教えてください。

K.Y. :就職活動は皆さん不安だと思います。僕も面接することがあるのですが、緊張している学生さんも多くいらっしゃいます。ただ、それは初めてのことですし、皆さん同じなので、あまり気負いすぎる必要はないということを伝えたいです。

また、自分が何をやりたいのかはある程度決めておいたほうが良いと思います。漠然とゲーム業界に入りたい!ということだけだと、自分が本当にやりたいことが曖昧になってしまいます。

なのでまずは、そこをしっかり定めることができれば、就活でもさまざまな情報を得ることができるはずです。

また、インターンなどの機会があれば、会社を知るために積極的に参加してみてほしいです。僕も就活が遅い方だったので、あまり心配しすぎず、最終的には自分に自信を持って望んでください!

――ありがとうございました。

「キャリアクエスト ~冒険者から専門職へ~」公式HP

KONAMIのベテラン社員であるK.Y.さんのお話から、ゲーム業界は昔と比べて確実に働きやすい環境になっているということがわかりました。また、ベテランでありながら、さまざまな分野にアンテナを張り続けている姿もエネルギッシュで印象的でした。

©Konami Digital Entertainment

《みお@Game*Spark》

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